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記事2015年4月23日 2238号 (1面) 
ほぼ制度の輪郭′ナまる
社会人の実践的専門的学び直しプログラム

文科省検討会

 文部科学省の「大学等における社会人の実践的・専門的な学び直しプログラムに関する検討会」(座長=荻上紘一・大妻女子大学長)は4月14日、同省内で3回目となる会合を開き、創設を予定している文部科学大臣認定「職業実践教育プログラム(仮称)」制度の認定の仕組みの方向性について検討、ほぼ制度の基本的方向性を固めた。最終となる4月22日の第4回会合で「議論のまとめ」を取りまとめる予定。社会に出た後も誰もが学び続け、夢と志のために挑戦できる社会の実現等のために、社会人の学び直しに資する実践的・専門的な教育プログラムに関する文部科学大臣認定制度を創設、大学、大学院、短期大学、高等専門学校にそうしたプログラム開設を求めていくもの。この日の第3回会合では、過去の議論に沿って同省が整理した具体的な認定の仕組みの方向性が提案され、議論が行われた。

 同省が提示したのは、▼文部科学大臣認定プログラムの目的については、@学び直す選択肢の見える化A大学等におけるプログラムの魅力向上B企業等の理解増進、社会人の学び直し推進を列挙。

 その上で、▼対象プログラムについては大学、大学院、短大、高専における正規課程および履修証明プログラム(既存・新規)とし、特定の企業や団体のみを対象とするプログラムは対象外とする▼総授業時数の一定以上を、「実務家教員による授業」「双方向もしくは多方向に行われる討論(課題発見・解決型学修・ケースメソッド等)」「実地での体験活動(インターンシップや現地調査等)」「企業と連携した授業」のいくつかの教育内容・教育方法による授業で占めている▼プログラムの対象とする職業分野、修得可能な能力を具体的かつ明確に設定、公表している▼受講者の成績評価をしている▼自己点検・評価をし、公表している▼課程の編成および自己点検・評価に当たり関連分野の企業等の意見を取り入れる仕組みを構築している▼社会人が受講しやすい工夫を行っている(例えば早朝・夜間開講、サテライト開講、IT活用等)――との要件。

 こうした提案は各委員に大筋で了承されたが、委員からは、「教育を提供する側だけの視点で書かれている」「(同プログラムの)目的のところで、どういう人材に仕上がるのか書くべきだ」「労働市場での通用性を考えて、同プログラムの修了者に何らかの称号を付与することが必要」「大学等に手を挙げさせる″H夫が必要」などの意見が聞かれた。

 次回、議論のまとめをして後、同省が具体的な認定基準等を定めることになるが、今後、各大学等が提供するプログラムについて同省では、シラバスの公表の義務化等で質の担保を図っていく方針で、資格取得だけを目的としたような内容ではなく、大学等ならではのプログラムを認定していく考え。

 また、今回の認定は制度の創設が主眼。そのため当面、補助事業は想定されていない。
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