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記事2015年4月23日 2338号 (1面) 
政府、産業競争力会議課題別会合
3類型のミッションを選択 運営費等で自己改革推進

 政府は4月15日、総理官邸で第5回産業競争力会議課題別会合を開き、わが国産業の競争力強化や国際展開に向けて大学改革を議題とした。大学改革については、下村博文・文部科学大臣がイノベーションの観点から、国立大学法人運営費交付金の中に三つの重点支援の枠組みを新設し、大学が自ら選択する仕組みを導入する考えなどを説明した。

 同会合で議長の安倍晋三総理は、会議の議論を踏まえ、「日本を世界一、イノベイティブな国とするには、大学の役割は不可欠。これまでの国立大学は、各大学の特徴に応じたミッションの設定が不明確のままだった。自律的な経営に欠けていた面があったことは否めない。この夏までに『国立大学経営力戦略』(仮称)を策定し、3類型のミッション選択に基づく自己改革を進めていく。このため運営費交付金と競争的資金の一体的改革を進めるとともに、外部資金の獲得や資産の運用を促進していく」と語った。

 会合の中で文科大臣は、日本を世界で一番イノベーションに適した国にするには、知識基盤社会の中核的拠点として全国に配置された国立大学の知の創出機能を競争的な環境で最大化することが鍵と指摘。第3期中期目標期間(平成28―33年度)にその実行を通じて革新創出のための自己改革を加速、自ら改革する国立大学に国はメリハリのある重点支援を実施する、とした。

 具体的には、国立大学法人運営費交付金の中に三つの重点支援の枠組みを新設する。その三つの枠(類型)とは、構想例でいうと、I.地域の人材ニーズに対応した学部教育の実施、地方自治体との連携強化、実践的な教育・研究を行うネットワークの構築、U.強み・特色を生かした新領域・融合分野の形成、海外大学との連携、世界ないし全国的な拠点機能の強化、V.大学院の重点的機能強化、全学的な国際化、世界トップレベル大学とのネットワーク構築―というもの。加えて機能強化のための組織再編等を促進、大学間・専門分野間の連携連合を進め、優秀な若手教員を積極的に採用、競争的研究費制度で間接経費を充実、人件費支出の柔軟化を人事給与システム改革と共同歩調で行うなども同時に進める。

 さらに産業構造の変化を先取りする形で稼げる新しいフロンティア開拓のため、特定研究大学、卓越大学院、卓越研究員制度を設ける。卓越大学院、卓越研究員は公私立大学も対象とする。
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