第１８９回国会が１月２６日、会期１５０日間の予定で開会したが、文部科学省は、今国会中に、スポーツ庁（仮称）の設置を目的とする「文部科学省設置法の一部を改正する法律案」や、高校専攻科修了者に大学編入学の道を開く制度等を創設するための「学校教育法等の一部を改正する法律案」を含む、少なくとも六つの法案を提出する予定にしている。

　このうち、�@「文部科学省設置法の一部を改正する法律案」は、平成２７年度政府予算関連法案。平成２３年のスポーツ基本法制定を受けて改正されるもので、文科省の任務及び所管事務の改正、スポーツ庁の設置、その他所要の規定の整備が目的。同省の任務のうち、スポーツに係る部分を「スポーツに関する施策の総合的な推進｣に改め､スポーツに関する基本的政策の企画及び立案並びに推進に関する事務等を所管事務に追加する。またスポーツ庁を設置、現在のスポーツ・青少年局（うちスポーツ関係は３課１参事官、７６人体制）を、他省庁からの再配置も含め、５課２参事官、１２１人体制にする。

　スポーツ振興に加え、厚生労働省、外務省、経済産業省、国土交通省、農林水産省、環境省と連携、健康寿命延伸、医療費抑制、国際交流・国際貢献、国民経済の発展、地域社会活性化といった多様な施策を展開する。今年１０月の発足。

　�A「学校教育法等の一部を改正する法律案」は、高校専攻科修了者の大学編入学を可能とするほか、小中一貫教育実施を目的とする義務教育学校（仮称）制度を設け、必要な教職員定数、教職員給与費及び施設整備費の負担、教員免許等について所要の規定を整備するもの。このほか�B「独立行政法人大学評価・学位授与機構法の一部を改正する法律案」、�C「国立研究開発法人放射線医学総合研究所法の一部を改正する法律案」、�D「平成３２年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法案（仮称）」、�E「平成３１年ラクビーワールドカップ大会特別措置法案（仮称）」を提出する予定。

　このうち�Bは、独立行政法人改革推進のため国立大学財務・経営センターを解散し、その業務を大学評価・学位授与機構に継承、新組織の名称を独立行政法人大学改革支援・学位授与機構(仮称)とするもの。�Cは、国立研究開発法人放射線医学総合研究所の業務に量子に関する科学技術の基礎研究等を追加し、名称も国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構（仮称）に改めるもの。�Dは、５年後のオリンピック競技大会等の大会推進本部の設置や国有財産の無償使用等の特別措置を講ずるもの。内閣官房共同提出法案。�Eは、ラグビーワールドカップ大会に合わせ寄附金付郵便はがき等の発行の特例等の特別措置を講ずるもの。

　このほか、文科省関連の法案では、国家戦略特区で公設民営学校の設置を可能とする法案等の提出が予定・検討されている。（内閣府提出）