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記事2015年11月23日 2358号 (1面) 
新たな高等教育機関の制度化等で報告・協議
日本私立短期大学協会 岡山市で秋季定期総会開催
新高等教育機関の創設 教育の質保証が最重要
意見をまとめ、中教審特別部会で主張へ




 日本私立短期大学協会(会長=関口修・郡山女子大学短期大学部理事長・学長)は10月15日、岡山市のホテルグランヴィア岡山で平成27年度秋季定期総会を開催した。文部科学省からの説明や、中央教育審議会の「実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する特別部会」(以下、特別部会)での検討状況等が報告され、活発に意見が交わされた。




 開会のあいさつで関口会長は、「職業教育、実践教育という課程が検討されているが、その中に短期大学がどういう立場で何を言うべきか、短期大学をめぐる状況はいささか切迫している。有意義なご意見を期待したい」と述べた。続いて文部科学省説明Tとして、高等教育局の塩原誠志・主任大学改革官が「実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化」に関する審議状況を概略次のように説明した。

   ◇

 今年4月、新たな高等教育機関について文部科学大臣から中教審に諮問が行われた。これを受けて、実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する特別部会(部会長=永田恭介・筑波大学長)(以下、特別部会)を設けて、現在検討を続けている。

 制度化に当たっての個別主要論点は、@主たる目的は質の高い専門職業人養成のための教育とするA教育内容・方法は、活用力・応用力の基盤形成、教育課程編成に産業界から一定の参画を得ること、実習・実技・演習・実験等を重視し、PBLやインターンシップ等を積極的に取り入れるB対象は社会人と高校等の新卒者C修業年限は2〜4年D学位は、学士・短期大学士相当の学位を授与するE教員については、必要な教員数は大学・短期大学の教員数を踏まえて検討する。また実務家教員を一定割合配置するF施設・設備について図書館・体育館・運動場等は今後検討するG質保証は、大学設置基準とは別の設置基準を設定し、教育情報・財務情報の公開、自己点検・評価および第三者評価を実施するなど。特別部会は4回目以降、論点ごとに検討している。3ポリシーのうち、まずディプロマ・ポリシーについて検討し、カリキュラム・ポリシーについても半分くらいまで入った。さらには教育機関としての仕組み、大学の中に学部としてつくれるような仕組み、既存の大学の中でも実践的職業教育が行えるような仕組みなども踏まえて検討している。来年1月以降、論点を整理し、ヒアリングを行い、答申を中教審総会に提出する。日本再興戦略では、2019年度の開学に向け、16年中に所要の制度上の措置を講ずることを目指すとしている。

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 文部科学省説明Uでは、高等教育局私学部の蝦名喜之・私学助成課長が「平成28年度私学助成予算の動向」を概略次のように説明した。

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 28年度私学助成関係予算要求のうち私立大学等経常費補助に関しては、特別補助(528億円)は、一つは経営改革や教育研究改革に取り組む大学等に重層的に支援する。内容としては、@私立大学の入学者選抜改革に向けた取り組みへの支援A地方に貢献する大学等への支援B経済的に修学困難な学生に対する授業料減免の充実だ。二つ目は、復興特別会計により被災学生に対する学費減免への支援、被災3県の大学等の教育環境整備、福島県内大学等の学生経費の単価増、外部リソースを活用した教育プログラム、学生募集経費に引き続き支援する。新規事業の私立大学研究ブランディング事業(79億円)では、全学的な独自色を大きく打ち出す研究に取り組む私立大学に、経常費・設備費・施設費を一体的重点的に支援する。タイプA(社会展開型)とタイプB(世界展開型)があり、Aは地方大学または中小規模大学に限定している。耐震化の促進予算では、429億円を要求。耐震化率は公立に比べて低いので、予算をしっかり確保したい。



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