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記事2014年9月3日 2316号 (1面) 
中教審で小中一貫教育特別部会始動
年末頃には答申とりまとめ
制度設計や推進策など検討

 中央教育審議会初等中等教育分科会に新しく設置された小中一貫教育特別部会の初会合が8月29日、文部科学省内で開かれた。同部会は、7月29日の文部科学大臣の諮問「子供の発達や学習者の意欲・能力等に応じた柔軟かつ効果的な教育システムの構築」のうち小中一貫教育の制度設計等を担当する部会として設けられた。

 部会長は小川正人・放送大学教授で、14人の委員の顔ぶれは、既に小中一貫教育を先導的に実施している自治体の首長や実施経験を持つ公立学校長、大学教授、日本私立小学校連合会長の矢崎昭盛・国本小学校長ら。

 この日は初会合ということで、初めに事務局を務める文部科学省から、小中一貫教育の制度化を求めた教育再生実行会議(安倍総理が開催)の第5次提言の概要や、小中連携や小中一貫教育の教育課程や指導方法、指導体制等について検討した中教審初等中等教育分科会の学校段階間の連携・接続等に関する作業部会の「主な意見等の整理」(平成24年7月13日)、これまで中教審の総会や分科会で出された小中一貫教育制度化に関係する意見、今後、検討すべき事項(たたき台)、今後の検討の進め方(イメージ)などが報告された。今後の検討の進め方では、9月から10月に6回程度部会を開き、10月末に答申素案を審議、パブリックコメントにかけた後、12月上旬から中旬に答申案を取りまとめ、初等中等教育分科会に報告、同分科会の審議を経て、12月下旬から年明け1月上旬に中教審総会で大臣に答申する計画。

 また、検討すべき事項としては、小中一貫教育の目的、現状の小中一貫教育の取り組みの成果・課題の分析、小中一貫教育の制度設計の基本的方向性、小中一貫教育の推進方策等を挙げている。

 そうした説明の後、この日は初会合ということで出席した12人の委員が自由に意見交換を行った。この中では、「中1ギャップなど個別具体的なことを克服することも必要だが、日本の義務教育の質への提言が必要。学習指導要領の在り方の検討が必要」、「小中一貫教育は子供の発達の変化への対応と義務教育の質を高くすることにある」「小中一貫を行ってきて小学校と中学校の教員の意識の壁がなくなった」などの意見が聞かれた。

 また地域によっては小学校卒業後、かなりの数の児童が私立中学校に進学することを考慮する必要性や小中一貫で施設一体型と分離型の違いへの配慮を指摘する意見も聞かれた。
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