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記事2014年9月13日 2317号 (1面) 
日私中高連 鹿児島「楠隼」問題で再度要望書

公立校なのに…

他県生中心の学校作りの「適法性」など照会

女子生徒排除の見解も




 鹿児島県が平成27年度に開校する全寮制県立中高一貫男子校「鹿児島県立楠隼中学校・高校」が県立校にもかかわらず全国22会場で進学説明会を開催、東京都、大阪府、福岡県で出張入試を実施するなどの問題で、日本私立中学高等学校連合会(吉田晋会長=富士見丘中学高校理事長・校長)は8月23日付で、再度、同県教育委員会の六反省一教育長に県教委としての見解を求める文書を送付した。この問題は、県民のための県立学校のはずが、主として他県生を対象に特別の教育を実施することについて現行法令上の適法性、制度的、社会的、教育的問題の所在についてどのように検討、どのような結論に基づいて設置構想が根拠づけられているのか、「楠隼」を先例として他の都道府県が全国募集を行った場合、わが国の学校教育の秩序が大混乱することについて、他県の公私学校関係者が調整、申し合わせた入試日程等を無視することについて、さらに生徒募集から女子生徒を排除したことなどについて見解を求めたもの。

 「楠隼」に関しては生徒募集計画等の概要が明らかになった時点から私学関係者の間で疑問の声が上がり、同連合会は5月30日付で県教委の見解を求める文書を送付、その後、回答のないままに同県教委関係者が同連合会事務局を訪れ、学校の概要や入試日程等の説明があったものの、同連合会の疑問等に回答はなく、疑問等に文書で回答するよう要望。その後、同県教委から8月6日付で公印も文書発信番号もない文書が同連合会に届いたが、再び基本的な問題に対する見解が示されていなかったため、再度の回答要請となった。

 「楠隼」は中学60人、高校60人を募集しているが、旧校舎の改修や寄宿舎の建設、全国での生徒募集活動等に合計約50億円もの経費を掛けるとの情報もあり、経費面の問題を指摘する私学関係者もいる。



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