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進路指導は「本物の自分であること」がテーマ
26年度から中3年が3カ月の留学
西に富士山、南に湘南の海を望む丘陵地に立つ「聖園女学院中学・高等学校」は自然豊かな学びの園(校長清水ますみ、神奈川県藤沢市)。同校は1946年、その設立母体の創立者、ヨゼフ・ライネルス師の「一人の存在は必ず一つの貴い使命をもっている。一人ひとりを大切に」を建学の精神に掲げ、カトリック精神に基づく調和のとれた人間形成を目標に、旧制高等女学校として創立された。1948年の学制改革で聖園女学院高等学校と名称変更、同時に中学校が併設され、1976年、中高6カ年完全一貫教育が始まった。同校の名称となっている「聖園」には、一人ひとりの生徒が自分の使命を見いだし、本物の自分になっていく歩みを助け育む楽園、イエス・キリストの聖心の愛があふれる園という意味がある。
清水校長は生徒たちに「あなたを創造された神様にとってあなたはこの上なく値高く、貴い存在です。心の中にいらっしゃる神様のささやきに耳を傾け、いつも「本物の自分」であるように。Be your truest self!▲と繰り返し語りかけている。こうして聖園生は、青春の日々を6年間、朝礼、ミサ、練成会、クリスマスの集い、奉仕活動などを通して「本物の自分」「かけがえのないわたし」が「かけがえのないあなたと出会い、受け入れ合い、互いに人としての生き方を学び合いながら、「みんな違ってみんないい」と豊かな女性に育っていく。
また、この「本物の自分であること」という方針は、学習や進路指導にも貫かれている。進路指導部長は「進路とはこれまで進んできた路∞今まさに進んでいる路∞これから進んでいく路、つまり人生そのものと位置づけています。自分の人生を、本物の自分を土台に、他者のために他者と共に生きる。中高6年間でその準備をすることが大切です。そのために、京都大学の物理学博士とともに行うサイエンス・コミュニケーション・プログラムや宇宙飛行士の山ア直子氏の講演、夢ナビを通じて大学教授の最新研究に触れる機会など、本物との接点を多く用意します。そして、日常の授業においても、知識や法則、技術などは、これまでの人類が積み上げてきた本物の真実≠ニして触れていきます。生徒たちには、6年かけて、本物と出会い、本物を見抜き、本物の自分を磨いていってほしいと願っています」と述べ、学校の方針が学習や進路指導の柱となっていることを示す。
さらに、英語の授業では、ネイティブの4人の教諭(うち3人が専任教諭)による、会話やプレゼン、ディスカッションが展開されている。ネイティブの先生は担任や清掃指導、部活指導も行うので、授業以外の日常でも英語でのコミュニケーションが活発だ。海外研修も充実してきている。高校1年生のカナダへの海外研修が伝統的に行われてきたが、平成26年度からは、中学3年生でニュージーランドに3カ月の留学を行う計画だ。
「女性と男性は同権です。しかし同質ではありません。心身ともに大きく成長する中学高校の6年間、女子校として、さらには、キリスト教の学校として、時間をかけて尊い命に照準を合わせた教育をしていくことは、現代社会における女子校の使命であり存在意義であると考えます。そのような教育を受けた卒業生が、男女共同参画社会の中で、それぞれの置かれた場で凛とした姿勢で自分の務めを果たしながら、周囲と協力し合い、あらゆる環境に対応できる柔軟さをもって活躍してほしいと願っています」と清水校長は生徒たちに期待をかけている。
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