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記事2014年4月23日 2304号 (1面) 
次期学習指導要領に向けて 枠組み等で論点整理
児童生徒に 育成すべき資質・能力明確化
パフォーマンス評価を重視

 文部科学省の「育成すべき資質・能力を踏まえた教育目標・内容と評価の在り方に関する検討会」(座長=安彦忠彦・神奈川大学特別招聘教授)は、このほど、「これまでの議論を踏まえた論点整理」をとりまとめ公表した。この検討会は今年度から検討が予定されている次期学習指導要領に関して構造として重視すべきポイントを議論したもの。論点整理では、今後、学習指導要領の構造を、「児童生徒に育成すべき資質・能力」を明確化した上で、Aそのために各教科等でどのような教育目標・内容を扱うか、B資質・能力の育成の状況を適切に把握し、指導の改善を図るための学習評価はどうあるべきか、といった視点からの見直しが必要と指摘している。学習を通じて「何ができるようになったか」よりも、「知識として何を知ったか」が重視されがちで、各教科を横断する汎用的な能力(問題解決、論理的思考、コミュニケーション、意欲など)の育成を意識した取り組みや、「生きる力」に関しては、構成する資質・能力の具体化や各教科等の教育目標・内容との関係の分析も十分ではなかったなどから改善を図るもの。

 同検討会では、育成すべき資質・能力については、自立した人格を持つ人間として、他者と協働しながら、新しい価値を創造する力を育成するため、「主体性・自律性に関わる力」「対人関係能力」「課題解決力」「学びに向かう力」「グローバル化に対応する力」などの重視が必要としている。

 そうした資質・能力に対応した教育目標・内容については、現在の学習指導要領に定められている各教科等の教育目標・内容を三つの視点で分析した上で、学習指導要領の構造の中に適切に位置付けし直したり、その意義を明確に示したりすることを検討すべきとしている。ここで言う三つの視点とは教科等を横断する汎用的なスキル等にかかわるもの、教科等の本質に関わるもの(教科等ならではの見方・考え方など)、教科等に固有の知識や個別スキルに関するもの、としている。また学習評価についてはパフォーマンス評価を重視すること、そのほか学習指導要領に指導方法をどこまで盛り込むかも検討すべき論点としている。
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