こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2014年4月23日号二ュース >> VIEW

記事2014年4月23日 2304号 (1面) 
教授会の役割を明確化
学校教育法及び国立大学法人法の一部改正案が判明
大学ガバナンス改革 副学長の職務を拡大
国立大学法人経営協議会 委員、過半数を学外委員に

 大学のガバナンス改革を目指して、文部科学省が今国会中に提出を予定している「学校教育法及び国立大学法人法の一部を改正する法律案」が4月17日に明らかになった。それによると学校教育法の改正では、副学長の職務を拡大、学長の指示を受けて校務の分担ができるようにする(第92条第4項関係)ほか、教授会については学長との関係で拡大解釈の余地を生まないよう決定権はあくまで学長にあることを明確化(第93条関係)する。施行は平成27年4月1日。




 今回の法改正は、大学運営における学長のリーダーシップの確立等のガバナンス改革を促進するため、副学長・教授会等の職や組織の規定を見直すとともに、国立大学法人の学長選考の透明化等を図るための措置を講ずるもの。また、日本経済の再生に向けて産業競争力強化の観点から、昨年6月に閣議決定した「日本再興戦略JAPAN is BACK」では大学改革を支える基盤強化策として大学のガバナンス改革の実施と関係法案の今国会提出が盛り込まれていた。

 「学校教育法及び国立大学法人法の一部を改正する法律案」のうち、学校教育法の改正の1点目は副学長の位置づけ。現行の「学長の職務を助ける」との規定を、「学長を助け、命を受けて校務をつかさどる」に変更する。

 また2点目は、教授会の役割。現行の「大学には、重要な事項を審議するため、教授会を置かなければならない。A教授会の組織には、准教授その他の職員を加えることができる」との規定を、「大学に、教授会を置く。A教授会は学長が次に掲げる事項について決定を行うに当たり意見を述べるものとする。一 学生の入学、卒業及び課程の修了、二 学位の授与、三 前二号掲げるもののほか、教育研究に関する重要な事項で、学長が教授会の意見を聴くことが必要であると認めるもの。B教授会は、前項に規定するもののほか、学長及び学部長その他の教授会が置かれる組織の長(以下この項において「学長等」という。)がつかさどる教育研究に関する事項について審議し、及び学長等の求めに応じ、意見を述べることができる。C教授会の組織には、准教授その他の職員を加えることができる」としている。

 一方、国立大学法人法に関しては4点の改正を行う。1点目が学長選考の基準・結果等の公表(第12条関係)で、学長選考会議が学長選考の基準を定めること、国立大学法人は学長選考の基準、学長選考の結果その他文部科学省令で定める事項を遅滞なく公表しなければならないこと、としている。2点目は国立大学法人等の経営協議会の委員の過半数を学外委員とする(第20条第3項、第27条第3項関係)。3点目は国立大学法人の教育研究評議会について、教育研究に関する校務をつかさどる副学長を評議員とする(第21条第3項関係)。4点目は附則に、新法の施行状況、国立大学法人を取り巻く社会経済情勢の変化等を勘案して学長選考会議の構成その他国立大学法人の組織及び運営に関する制度について検討を加え、必要があると認めるときは、所要の措置を講ずることを追記している。

 国立大学法人については、各法人で自主的・自律的な内部規則等の総点検・見直しが進められており、第3期中期目標・計画がスタートする平成28年4月1日までに完了する予定。

 このほか、大学のガバナンス改革に関しては、こうした法改正とともに、国公私立を通じて予算面でも支援していく予定。



記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞