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記事2014年3月3日 2299号 (1面) 
私学団体代表ら 私学の自主性尊重を要望
私学振興協議会(懇談会)開催

大学のガバナンス改革

学長の選任の在り方で

自民党議員に予算で感謝




 清家篤・全私学連合代表と河村建夫・衆議院議員が共同代表を務める、「私学振興協議会(懇談会)」が2月27日、東京・市ヶ谷の私学会館で開かれた。3回目となる協議会は私学側の呼びかけで開かれたもので、自由民主党からは、文部科学(文部)大臣や文部科学(文教)部会長の経歴を持つ国会議員らが出席。一方、私学側からは全私学連合を構成する5団体の正副会長らに加え、日本私立学校振興・共済事業団の河田悌一理事長が出席、私学を取り巻く課題などについて懇談を深めた。懇談では学校教育法の改正が見込まれる大学のガバナンス改革に絡んで私立大学における学長選任では私学の自主性を尊重してほしいと複数の私学関係者が議員に要望した。




 初めに私学側を代表してあいさつした清家共同代表は、平成26年度政府予算案で私学助成関係予算額が久しぶりに増額となったことや、耐震改築補助が実現したことに、改めて出席の議員に感謝の意を伝えるとともに、幼稚園から大学までの私立学校は今後も日本、世界への貢献を考えていくとし、(与党・政府には)そうした視点からも私学への支援を要請した。

 また、河村共同代表は、大学のガバナンス改革に触れ、私立大学の学長の選び方については、「私学の皆さんの気持ちを体してやらなければいけない」とし、子ども・子育て支援新制度については、「教育というよりは少子化対策の面だけからきている。前政権・民主党政権時代につくったものを踏襲しているような格好で、相当議論をしなければいけない。全国の私立幼稚園の方々は大変心配している。我々のがんばりどころ」と語った。

 その後、現在の丹羽秀樹・文部科学部会長は「私学の皆様がこの国の教育の一端、いや、一端どころか教育の全般を一生懸命守って頂いていることを理解しながら政治を行っていかなくてはならない」と語った。

 続いて河田・私学事業団理事長が大学のガバナンス問題等に言及した後、乾杯の音頭をとり、和やかな懇談の席となった。その後、国会議員や私学団体の会長、副会長から次々あいさつが行われた。発言者のあいさつの要旨は次の通り。

 小坂憲次・参議院議員(元文部科学大臣)「この協議会を通じて私学振興のため一層努力したい」

 中曽根弘文・参議院議員(元文部大臣)「私は幼児教育議員連盟の会長を務めさせていただいているが、何よりも公私間、幼保間の格差をなくしていきたい」

 遠藤利明・衆議院議員(元文部科学部会長)「(大学のガバナンス問題に触れ)私立大学は学長を理事会で決めるのは当たり前。あくまで国公立大学をどうするかの議論だけでいいはずだ。その辺を皆混同している」

 このほか松野博一・衆議院議員(元文部科学部会長)も大学のガバナンス問題に言及した。

 大沼淳・日本私立大学団体連合会副会長(日本私立大学協会長)「第三者を入れて学長を選ばなくてはいけない、との話があるやに聞いている。そうなると私立学校法の根幹に関わる課題だと認識している。理事会で決めた方法で学長を選べる、建学の精神に基づく自主性を是非認めて頂きたい」

 香川敬・全日本私立幼稚園連合会長「幼児教育の死守に向けご指導賜りたい」

 吉田晋・日本私立中学高等学校連合会長「経常費補助、耐震改築補助実現、高校等就学支援金見直しに大変感謝している。ただ就学支援金の事務手続きだけは大変。今後の様子を見て来年度以降の予算でカバーしていただきたい」

 矢崎昭盛・日本私立小学校連合会長「私立学校の独自性をお守り頂き、少し余裕のある研究を続けていただきたい」



  1.  佐藤弘毅・日本私立短期大学協会長「この辺で国家戦略として高等教育の諸機関の役割分担について正面から取り上げ、ご議論いただきたい。それぞれの大学や短期大学の自助努力に任せていては早晩、我が国の中小都市から高等教育が消えていく。学びたいときに学べる高等教育機関が身近にあることが先進諸国の誇りだと思う」


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