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記事2014年3月13日 2300号 (1面) 
「道徳教育専門部会」設置を了承
道徳教育専門部会」設置を了承

初等中等教育分科会+教育課程部会




 中央教育審議会の初等中等教育分科会(分科会長=小川正人・放送大学教養学部教授)と同分科会教育課程部会(部会長=無藤隆・白梅学園大学教授)は3月4日、文部科学省内で合同会議を開き、@道徳に係る教育課程の改善等A「英語教育の在り方に関する有識者会議」の設置および第一回の開催について討議した。このうち下村博文・文部科学大臣から2月17日に諮問された「道徳に係る教育課程の改善等」については、中教審の教育課程部会の中に「道徳教育専門部会」を新設、委員には道徳教育に詳しい専門委員を新たに委嘱、教育課程部会の委員(部会長が指名)も加えて審議に当たることが了承された。

 さらに委員の質問に対して塩見みづ枝・同省初等中等教育局教育課程課長は、道徳の検定教科書ができた場合でも、「道徳教育の充実に関する懇談会が(昨年12月26日にまとめた報告書で)、『私立の小学校および中学校の教育課程について、宗教をもって道徳に代えることができるとされていることについては、引き続き尊重する方向で検討することが適当』としていることから、代替として宗教の授業を行っている私立学校に検定教科書を使えということにはならないと思う」と語った。

 また道徳に絡んで次期学習指導要領改訂時期について委員から質問があり、塩見課長は、道徳以外も含め来年度に中教審に諮問する見通しを明らかにし、改訂が従来の10年に1度のペースより早まる可能性を示唆した。

 この日は審議時間が通常より30分短い1時間半の予定だったが、予定時間を超えて道徳に関する審議がその大半を占めた。それだけ多くの委員から発言があり、委員から「子どもたちが正しいと気付くのはどういうフレームワークなのか。そうした点を教員研修や指導に生かしてほしい」「日本人として(子どもたちに)誇りを持たせてほしい。日本人が世界に貢献していることを伝えてほしい」「内申書で誠実さ、多様な価値を受け入れることなどを数値ではなく評価すべきだ。進学の際の重要な要素にすべきだ」「情報モラルに関しては今まで以上にしっかり考えられる内容が重要で、国としてリベンジポルノなどを規制できる体制が必要」「(新しくできた)『私たちの道徳』を検定教科書づくりに生かしてほしい」「人間性についての理解が大事。そうした記述を」といった意見が聞かれた。また各児童等の道徳に関する評価を学習指導要録に記述することに関して、教員の事務負担増を懸念する意見も聞かれた。

 中教審では大臣から諮問のあった道徳に係る教育課程の改善等について今秋の早い時期に答申をまとめる予定にしている。



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