こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2014年2月3日号二ュース >> VIEW

記事2014年2月3日 2296号 (3面) 
新校長インタビュー 280
麻布中学・高等学校 校長 平 秀明氏
自主独立の精神を大切に
高1・2対象に発展的授業「教養総合」

今年で創立119年目を迎えた麻布中学・高等学校(平秀明校長、東京都港区)。「自由闊達な校風のもと、生徒一人ひとりの自主自立の精神を最も大切にしています。学業はもちろん、クラブや各種自治組織運営等の自主活動ができてこそ、充実した中学・高校生活だと思います。目的を持って6年間を過ごしてほしいです」と平校長は話す。

 同校の特色ある教育の一つが「教養総合」授業だ。高1・高2を対象に、土曜日の2時間、多様な授業群の中から、それぞれ自分の興味・関心のある授業を学期ごとに選択するのだ。さまざまな分野に及んでいる。「着物文化」「日本SF大賞」「入門ドイツ語」「篆刻―印を創る―」「初等整数論講義」「バトミントン」「原子力利用と社会」「現代医療について考える」など、各学期に約30の授業が設置される。外部講師を招いて行うこともある。平校長も生徒を連れて町工場を訪れ、物づくりの現場を見学したという。

 「この授業は10年前から実施しています。既成のカリキュラムや学年の枠にとらわれないで、発展的な授業として行っています」(平校長)

 また、同校の特色のもう一つとして、すべての教科を通して書く(表現する)≠アとを重視していることが挙げられる。『論集』は生徒の学習意欲と知的探究心の高揚を願って、生徒の作品や報告書、論文などを選び、年1回刊行されている。ほかに中3では中長編小説を読んで原稿用紙100枚以上に仕上げる共同卒業論文、高1では自分でテーマを決めて、論じる社会科基礎課程修了論文などがある。

 「自らの考えを、自ら発信する人になってほしいと思います」(平校長)

 同校の国際交流は創立100周年記念事業の一環として始まり、カナダ、中国、韓国の提携校と生徒の相互訪問を行っている。「国際交流は大成功です。交流を通して、人間としての幅を広げてほしいと思います。将来は地球規模、全人類規模で活躍できる人材になってほしいです。そして、心身ともに健康で、思いやりのあるリーダーを目指してほしい」(平校長)

 ここ数年で教員の若返りが進行した。「今まで培われてきた教育を継承しつつ、若い先生方の意欲を高めていくのが私の使命です」と平校長。

 母校に数学科の教員として赴任。教務主任、校務主任を歴任した後、校長に。専門は理科(応用化学)。東京都出身。
記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞