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記事2014年12月3日 2325号 (1面) 
中教審特別部会 小中一貫教育学校、制度化
答申案を最終的に了承

中央教育審議会初等中等教育分科会の小中一貫教育特別部会(部会長=小川正人・放送大学教養学部教授)が12月1日、東京・霞が関の中央合同庁舎4号館で開催された。答申案について最終的な議論を行い、部会として案を承認した。年内に開催される中教審総会で答申となる運び。

 答申案は、9年間の小中一貫教育を行う学校として、一つの教職員組織による「小中一貫教育学校(仮称)」と、小・中学校が独立した形での「小中一貫型小学校・中学校(仮称)」の2形態の制度化を示している。

 前者は新たな学校種となるが、小・中学校と同様に市町村の学校設置義務の履行対象、就学指定の対象とされる。教員は小・中免許の併有が原則だが、経過措置として、小学校免許で小学校課程を、中学校免許で中学校課程の指導を可能とし、隣接免許状を取りやすくして併有を促す。9年間の系統的な教育課程が編成され、学年段階は「4‐3‐2」「5‐4」等の設定も可能としている。ただ一方で、小学校修了段階での私立中学校等への転校の希望に対する配慮も必要、としている。学校組織は、1人の校長の下で一つの教職員組織とする。

 後者は現行制度の学校種のまま、小中一貫教育を行うというもの。複数の小学校が中学校に接続する形態も想定しており、教育目標や教育課程は9年間で設定・編成されるが、小学校、中学校で独立。教員免許は学校種に対応した免許で良い。既に一部で実施されている小中連携に近い形態だが、学校間の意思決定を調整するシステムの整備等が要件化されている。

 いずれのタイプでも、施設は一体型でも分離型でも良い。また、設置は義務ではなく設置者(市長村)の判断とされ、地域の実態に応じた選択肢の一つとしている。これは、小学校を卒業した児童の多くが私立中学校に進学する地域等では、引き続き通常の小・中学校のみを設置することが適切と考えられるため。

 なお答申案には、同部会とは別に審議された、高校早期卒業制度、留学生に関する大学・大学院入学資格見直し、高校専攻科等からの大学への編入学の柔軟化に関する内容も盛り込まれている。
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