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記事2014年10月3日 2319号 (3面)
新校長インタビュー(294)
麹町学園女子中学・校高等学校 校長 相川 忠洋氏
生徒のために何ができるかを考える
「自立」は「生きる力」「免疫力」
「学校はテーマパークに例えることができます。夢と感動、思い出づくり、リピーター、ルールを守って皆で楽しくすごすところです。何よりもゲストの安全、学校では生徒の安全第一です。テーマパークはゲストの目線で、学校は生徒や保護者の目線を意識することが大事」と話すのは、麹町学園女子中学・高等学校(東京都千代田区)の相川忠洋校長だ。
「生徒のためにどうしたらいいか、何ができるかを考える。トップダウン方式ではなく、アイデアを出す段階から教職員と一緒に考える」(相川校長)という方針で学校経営をすすめてきた。2005年に着任してまず取り組んだことの一つは生徒の安心・安全対策だ。2007年には非常時のための備蓄品を手当てして、マニュアルも作った。基本は大震災が起きて帰宅できない時に学校で待機することを想定したもの。東日本大震災後は備蓄品等を充実させ、マニュアルを改訂した。地域との連携も考慮し、町内会の防災訓練にも協力している。さらに、『新型インフルエンザ危機管理マニュアル』『防犯マニュアル』なども作成し、生徒・保護者に配布している。
同校は今年で創立109周年を迎えた。創立者である大築佛郎氏の掲げる精神を現代風に置き換え、校訓として「聡明・端正」とした。この精神の下に「豊かな人生を自らデザインできる自立した女性を育成」を目指す。
相川校長は、「『自立』とは『生きる力』とか『免疫力』の意味です。生徒にこの力を身につけてもらい、社会に送り出したい」と言う。中高一貫の6年を3段階に分けている。基礎期(中1・中2)では、基礎を定着させ自立に向けて一歩を踏み出す。「2人担任制」を導入し、生徒の成長を見守る。充実期(中3・高1)では、自身を深く知り、自立させることを目標とする。
教員全員がゼミナール方式で一万字を目途に仕上げる「みらい論文」の指導に当たる。生徒は自分と向き合い、完成させることで自信をつける。発展期(高2・高3)では、進路進学指導によって、将来をデザインさせる。
また、中3から高2の希望者を対象とした短期、語学研修や三カ月留学をニュージーランドで行っており、1年間のプログラムもあって、選択肢を広げてきた。他方、海外からの留学生の受け入れについても積極的に取り組んでいて、一昨年はフランス、今年はカナダからの留学生を受け入れている。学園でも小さな国際交流ができるようにとの考えだ。冬に福島県の「ブリティッシュヒルズ」で行う語学研修は、国内での海外留学といえるものだ。
「私はあいさつをきちんとすること、年上の人と話すときは正しい言葉遣いで話をすることを常に奨励しています。生徒には向上心を持ってチャレンジしてほしいと思います」と相川校長。
大学卒業後、住友商事(株)に入社、その後、イラン住友商事(株)社長、ベトナム代表、(株)ユー・エス・ジェイ取締役を経て、平成22年麹町学園理事長に就任。平成26年校長を兼務する。出身は神奈川県鎌倉。
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