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記事2014年10月13日 2320号 (1面) 
実践的な職業教育を行う 新高等教育機関制度化で有識者会議
既存の大学等とのすみわけ等課題
専門学校関係者は強い期待感




 実践的な職業教育を行う新高等教育機関の制度化に関する有識者会議の初会合が10月7日、文部科学省内で開かれ、座長に黒田壽二・金沢工業大学学園長・総長が就任した。委員は黒田座長を含め、大学、短大、専門学校、高校団体代表、学識経験者、企業関係者ら18人。実践的な職業教育に特化した新たな学校種の創設については、大学等のアカデミックラインと並ぶ職業教育ライン構築を目指す全国専修学校各種学校総連合会が数年前からその実現を関係方面に訴えていたもの。平成26年度から始まった専修学校における職業実践専門課程(文科大臣認定)は、こうした新たな制度化の先導的施行と位置付けられている。

 会議では初めに、教育再生実行会議の提言や中央教育審議会の答申等で実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関に言及した記述内容等が紹介されたほか、審議に際しての視点例(案)が文科省から提案された。

 視点例は6点。@既存の学校種における職業教育の実態や課題等を踏まえ、新たな高等教育機関においてどのような職業人を養成すべきか(主に想定される職業分野や職種等)A実践的な職業教育を行う高等教育機関として魅力あるものとするにはどのような特色を持ったものとすべきかB実践的な職業教育を重視する上で、産業界の協働をどう確保すべきかC修了者の社会的・国際的な評価や、円滑な就職・進学等を確保するにはどうすべきかD社会人の学び直しニーズに対応しうる仕組みとするにはどうすべきかEその他。こうした説明の後、初会合ということで出席の13人の委員が、職業教育を行う高等教育機関の制度化に関する考え等を述べたが、専修学校関係者から制度創設への期待が出された一方、新学校種と機能分化が進む既存の大学等とのすみわけ、それとも関係して新学校種の理念をどう定めるか、普通科志向の強い中で高校生が望んで進学する学校種となりうるか、といった意見や、グローバル化時代での教養教育の重要性を指摘する意見、教育や教員の質保証の重要性を指摘する意見も聞かれた。

 同有識者会議での検討期間は26年度末まで。結論は中教審に諮られ、同意が得られれば具体化に進むことになる。



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