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記事2014年1月23日 2295号 (2面) 
平成25年度学長会議第2回全体会議開催
日本私立大学連盟
シンポジウムなど開催 高大接続と入試改革テーマに
全高校生に達成度テストの意見も




 一般社団法人日本私立大学連盟(会長=清家篤)は1月14日、 平成25年度学長会議第2回全体会議を開催し、「高大接続と大学入試改革」をテーマにディスカッション等を行った。加盟校の学長ら71人が参加した。

 基調講演では布村幸彦・文部科学省高等教育局長が、高等教育政策の課題について教育再生実行会議や中央教育審議会の議論を踏まえて解説。高校・大学教育や大学入試においては、基礎的な知識や技能に加えて思考力・判断力・表現力も重視、課題解決能力やコミュニケーション能力等の総合的な能力を評価することが今後は必要とされる、との方向性を示した。ただし「議論はこれから深めていく段階。まだ具体的にお話しできることはない」とした。

 シンポジウムではまず京都市教育委員会教育企画監で中教審高大接続特別部会の委員も務める荒瀬克己氏が意見を発表した。高大接続を図るにしても高校までの教育の責任は高校が負うべき、とした上で、今の高校教育は「底が抜けた状態」と指摘。達成度テストに反対する高校関係者は多いが、社会に出てから生きる能力の育成のために全高校生に課すべきである、との考えを示した。

 続いて大学通信常務取締役の安田賢治氏が意見を発表。入試の多様性は必要としつつ、「大学中退者の多さも課題とすべきだ。高校生の大学選びだけでなく、大学入学後の育て方も改善しなければならないのではないか」とした。

 高大接続については、大学と付属校との結び付きを深めることを提案。高校の早い段階で大学の授業を受けさせ、大学での学びに必要なことを身に付けさせる取り組み等を提案した。

 早稲田大学入試開発オフィス長・入学センター副センター長・文学学術院教授の沖清豪氏は、早稲田大学の取り組みについて発表。同大学は2032年(創立150周年)に向けての中長期計画の一つに「入試制度の抜本的改革」を掲げ、入学センターの下に入試開発オフィスを新設した。多様化に向かう入試について沖氏は「公平の概念をどう変化させるかが目標。不合格者にも納得してもらえる選抜でなければならない」と述べた。
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