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記事2013年9月3日 2282号 (1面) 
私学助成前年度比8.6%増の4,692億円
文部科学省 平成26年度概算要求・要望提出
私立学校 耐震改築補助150億円要望 グローバル人材育成
 文部科学省は8月30日、平成26年度予算概算要求を財務省に提出した。同省の要求・要望総額(一般会計)は、前年度比10・2%増の5兆9035億円。この中には26年度概算要求基準で新設された「新しい日本のための優先課題推進枠」8402億円が含まれている。また、これらとは別に東日本大震災復興特別会計分(文科省関係)として2325億円を要求している。

 私学助成関係予算要求の総額は4692億円で、前年度比8・6%の増額。このうち「私立大学等経常費補助」は3329億8400万円で前年度比4・9%の増額要求となっている。同補助は私立大学等の経常的経費を支援する基盤的な補助で、国際交流の基盤整備への重点的支援、授業料減免等の充実、社会人の組織的な受け入れへの支援等も進める計画。
 「私立高等学校等経常費助成費等補助」は1059億3000万円、前年度比3・6%の増額要求。同要求では生徒一人当たりの補助金単価を1%引き上げているほか、教育相談体制の整備、教育の国際化、学校安全(防災教育)の推進を行う学校への支援、障害のある幼児の受け入れや子育て支援を行う私立幼稚園への支援を拡充していく。
 「私立大学・大学院等教育研究装置施設整備費補助金」は154億8600万円。前年度予算額の71億8100万円と比べると、二倍以上の増額要求。その中では耐震改築補助事業(大学・短大・高専)に新たに五十億円が要求されているほか、私立大学等改革総合支援事業(教育研究施設、教育・研究装置)では前年度予算額の四倍近い42億円を要求している。
 「私立高等学校等施設整備費補助」については、前年度比3倍強の147億2700万円を要求している。これは同補助の三本柱(高機能化、防災機能強化、エコキャンパス)の中の防災機能強化施設整備費補助が前年度比百億円増額要求されているため。従来の耐震診断や耐震補強、防犯対策、非構造部材の耐震対策、備蓄倉庫、自家発電設備等の整備に、新たに耐震改築工事が補助対象に加えられている。
 「私立大学等研究設備等整備費補助」は前年度と同額の20億3200万円の要求。
 「私立高等学校等IT教育設備整備推進事業」は、前年度と同額の1億4700万円の要求。
 「私立学校施設高度化推進事業費補助」は前年度比9・4%減の17億8300万円の要求。
 「日本私立学校振興・共済事業団貸付事業」は385億円(財政融資資金)の要求で、貸付計画額は前年度を20億円上回る650億円の要求となっている。
 「私立大学等教育研究活性化設備整備事業」は前年度と同額の45億円の要求。この補助は、私立大学等改革総合支援事業の一環として、教育の質的転換、地域発展、産業界・他大学との連携、グローバル化などの改革の基盤となる教育研究設備の整備を支援するもの。
 「私立学校施設の災害復旧に対する補助」は15億2000万円の要求。東日本大震災で被害を受けた私立学校施設の災害復旧、私立学校の教育活動復旧が目的。これは全額復興特別会計要求分。
 このほか高等教育局私学部以外の予算要求をみると、高校の授業料無償化・就学支援金制度に関しては、所得制限を設けて低所得者層への支援充実、公私間格差の是正を行うことが決まったが、なお数県、平成26年度からの実施に課題が残る地方自治体があるため、予算要求額は示さず、事項のみの要求となっている。
 「初等中等教育段階におけるグローバル人材の育成」に関しては前年度予算額の約28倍に当たる56億円を要望している。その中では新たに小・中・高校を通じた英語教育強化事業、スーパーグローバルハイスクール事業(国公私立高校、中高一貫校100校を指定、5年間支援)を新規に立ち上げるほか、高校生の留学を促進する。対象となる高校生は約3600人の計画。(3面に予算要求関連表)
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