こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2013年9月23日号二ュース >> VIEW

記事2013年9月23日 2284号 (1面) 
日本私立大学連盟 平成25年度理事長会議開催
規制改革と公財政支出切り口に 私大の自主性・自律性を考える
 一般社団法人日本私立大学連盟(清家篤会長=慶應義塾塾長)は9月2日、東京・市ヶ谷の私学会館で平成25年度理事長会議を開催した。「改めて問われる私立大学の自主性・自律性―規制改革と公財政支出との関連で―」をテーマとした今年の会議には約90人の私立大学理事長らが参加。この中では4人のパネリストが、規制改革が私立大学にもたらした影響や私立大学の経営基盤の強化策の在り方などについて意見発表、それに対してそれぞれ私立大学理事長がコメントを述べた。このうち経済同友会の北山禎介・副代表幹事(三井住友銀行取締役会長)が「規制改革が銀行界や私立大学にもたらした影響と私立大学の自主性・自律性」の演題で意見を発表。戦後、護送船団方式と揶揄された銀行業界が内部統制等の整備、各種リスクへの主体的対応の体制を作ってきた経緯を振り返りながら、大学に関しては事後チェックである認証評価制度改革、情報公開の充実(大学ポートレートへの全大学参加)、経営悪化時の制度設計の必要性を指摘、その中でも意識改革が「鍵」とした。また公認会計士の佐野慶子氏は「規制改革と補助金政策の動向が私立大学に与える影響と私立大学が取り組むべき課題」とのテーマで意見発表。規制緩和が、甘い制度・緩んだ制度を生み、大学自身が自覚と責任の徹底に懸念せざるを得ない事案が少なからず見られることを指摘、内部統制の確立、ガバナンスの強化の必要性を強調、公認会計士監査については私立学校振興助成法ではなく、私立学校法に根拠を置くべきだとした。こうした意見に私立大学理事長からは、大都市圏と地方の私立大学を取り巻く環境には大きな格差が生じている、大都市の論理では論じられない状況が地方にはあり、教育こそ国力、地方の私立大学が日本の根底を支えている、との認識を共有してほしいと語った。
 また、日義博・専修大学理事長は「私立大学における経営基盤の強化方策のあり方」のテーマで意見発表、その中ではイコール・フッティングの実現、教職員数の適正化、健全な財政計画、理事会の権限の見える化、学長のリーダーシップ、監事機能の強化等の必要性を指摘。佐藤東洋士・桜美林学園理事長は、小規模大学の存続を真剣に考える必要性、学納金と補助金に依存する経営は限界に来ているとして私立大学への支援策も国立大学の運営費交付金に近いものに発想転換していくことを要請した。
記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞