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記事2013年8月3日 2280号 (1面) 
中間まとめ案に沿って学生支援機構の奨学金討議
給付型の重要性特に強調の意見
学生への経済的支援在り方検討会
 奨学金制度等について検討する文部科学省「学生への経済的支援の在り方に関する検討会」(主査=小林雅之・東京大学大学総合教育研究センター教授)は7月29日、第4回会合を開いた。同検討会はこれまでの議論を基に中間まとめ案を作成しており、今回はその内容について細かな検討を行った。
 主な論点は、制度の具体的な改善方策の提案に関する部分。中間まとめ案は、日本学生支援機構による貸与奨学金について、貸与を受けられない学生はほぼ解消されたものの、それは有利子奨学金の拡大によるものだと指摘。本来の形である無利子奨学金の拡充に取り組むべきだとした。
 貸与奨学金の返還方法に関しては、期日までに返還しなかった場合に課せられる延滞金を大きく取り上げている。延滞金は現在一律10%だが、段階的な賦課方式の導入や、延滞金総額の上限の設定などの工夫に取り組むべきだとした。
 また、保護者の経済的格差が子の教育格差となることをクローズアップ。日本では未導入の給付型奨学金の充実を「高等教育における重要な課題」と位置付けている。その上で、給付型奨学金制度の設計に先立って必要な検討事項を列記。「事後給付(返還免除)か事前給付か」「経済状況と学業成績を、それぞれどの程度重視して支給基準とするか」「機構を通じた支給が適切か、各大学を通じた支援が適切か」等を要検討事項とした。これについて委員からは「教育の機会均等であるだけでなく、社会を支える人材育成という観点が給付型奨学金には特に重要。強調して書くべきだ」等の意見があった。
 今回の議論を反映して中間まとめは完成となり、以後の会合では中・長期的な課題の検討を行う予定。
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