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全私学新聞

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記事2013年8月3日 2280号 (1面) 
基盤的経費として私学助成の大幅増額を
全私学連合が下村大臣に要望
平成26年度私学関係政府予算
耐震改築補助創設を 修学上の経済的負担軽減も要請
 日本私立大学団体連合会や日本私立中学高等学校連合会など私学関係5団体で構成する全私学連合(清家篤代表=日本私立大学団体連合会長、慶應義塾長)は、7月31日、文部科学省に下村博文大臣を訪ね、同省の平成26年度予算概算要求提出を前に、私立学校関係政府予算と税制改正に関する要望書を提出した。

 この日、下村大臣を訪問したのは、清家代表のほか日本私立大学団体連合会の大沼淳副会長(文化学園大学理事長・学長)、日本私立短期大学協会の八耳俊文副会長(青山学院女子短期大学長)、日本私立中学高等学校連合会の吉田晋会長(富士見丘中学高等学校理事長・校長)、日本私立小学校連合会の矢崎昭盛会長(国本小学校校長)、加えて各団体事務局長等。
 初めに清家代表が私大団体連会長として、基盤的経費として私学助成の大幅な増額(補助率2分の1の早期実現)や、教育研究施設の耐震改修、耐震改築(建て替え工事)、防災にかかる財政支援の拡充、給付型奨学金制度の創設など学生の修学上の経済的負担の軽減にかかる支援の拡充、学生の主体的な学びの確立に向けた大学教育の質的転換にかかる支援など私立大学が担う多様かつ重層的な教育の推進に対する支援の充実、東日本大震災に伴う私立大学の復旧・復興にかかる支援の継続・拡充等を要望。
 続いて日短協の八耳副会長は、短期大学が地域の高等教育機関として地域の人材育成で大きな役割を果たしていることへの理解等を要請した。
 また、日私中高連の吉田会長は、国の私立高等学校等の経常費助成費等に対する補助は、私学助成事業の財源の太い柱で、地方交付税による財源措置にも影響することから、一層の拡充強化と、私立高校等施設の耐震改築事業に対する国による補助制度の創設、高校等就学支援金制度の見直しでは公私間の負担格差是正に資する改善を要望した。さらに、日私小連の矢崎会長は、福島県内の私立小学校は、震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所事故により、震災前より児童数が18%も減少していることを説明、引き続いての支援を要請した。
 これに対して下村大臣は、私学側の要望実現にできる限り努力したいとの考えを表明。
 同時に、私学団体代表らに対して、安倍内閣は経済再生と並んで教育再生を最重要課題としており、今後は経済成長戦略を支える人材育成等が重要で、この秋の臨時国会からは教育再生という視点で積極的に、来年の通常国会を含め10本程度の法案提出を計画しており、そのための準備・検討をしていること、例年、同省が国会に提出する法案は1、2本程度なので、今までにないことであると説明した。また、平成26年度には間に合わないとした上で、なかなかOECD(経済協力開発機構)諸国並みの教育投資ができないことから、政府全体として教育に特化した税源を含めた税制上の問題を積極的に打ち出していき、私学も含め教育の抜本的な充実を図っていきたい、と語った。ただしその場合、メリハリのある補助金配分とし、意欲のある大学には傾斜配分で支援を手厚くし、世界に通用する大学、地域に貢献する大学作りを進めていくことと、各大学が思い切った改革をやりきれるよう、教授会の役割の見直しについては中央教育審議会の審議を経て来年の国会に関連法案を提出する意向を明らかにした。最後に、引き続き私学関係者の要望や意見も聞きながら改革に努力していく考えを強調した。


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