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記事2013年6月3日 2274号 (1面) 
教育再生実行会議 第3次提言を公表
徹底した国際化を断行
グローバル化の教育環境づくり大学に強い期待感
社会人の学び直し機能強化も
 政府の教育再生実行会議(座長=鎌田薫・早稲田大学総長)は、五月二十八日、これからの大学教育等の在り方に関する提言をまとめ、安倍総理に提出した。同会議としては第三次提言。その中で大学については、「新たな知を創造し、社会を変革していく中核」、「我が国の大学を絶えざる挑戦と創造の場へと再生することは、日本が再び世界の中で競争力を高め、輝きを取り戻す日本再生のための大きな柱の一つ」と強い期待感を寄せつつ、その在り方に関しては、徹底した国際化を断行し、世界に伍して競う大学の教育環境を作るなど大幅な改革の必要性を指摘、平成二十九年度までの五年間に集中的改革の実行を求めている。

 第三次提言は、A4版で九ページ。その中で大学の改革の方向性ついては、@グローバル化に対応した教育環境づくりA社会を牽引するイノベーション創出のための教育・研究環境づくりB学生を鍛え上げ社会に送り出す教育機能強化C大学等における社会人の学び直し機能強化D大学のガバナンス改革、財政基盤の確立により経営基盤強化―の五点を提示。
 そのうち@に関しては、意欲と能力のある全ての学生の留学実現に向け、日本人留学生を十二万人に倍増し、外国人留学生を三十万人に増やし、初等中等教育段階からグローバル化に対応した教育を充実、日本人としてのアイデンティティを高め、日本文化の世界発信などを求めている。具体的には海外のトップクラスの大学の教育ユニット(教育プログラム、教員等)を国が丸ごと誘致しての日本の大学との学科・学部・大学の共同設置、ジョイント・ディグリーの提供など現行制度を超えた取り組みが可能となるよう制度面・財政面の環境整備、外国人教員の生活環境の整備・支援、国際化を断行する大学(スーパーグローバル大学・仮称)を重点的に支援。国際共同研究等の充実を図り、今後十年間で世界ランキングトップ一〇〇に十校以上我が国の大学が入るなど国際的存在感を高めることを目指すよう提言している。
 そのために小学校の英語学習の抜本的拡充(実施学年の早期化、指導時間増、教科化、専任教員配置等)、中学校における英語による英語授業の実施、少人数での英語指導体制の整備、英語教員がTOEFL等の外部検定試験で一定の成績(TOEFLiBT80程度以上)を収めることの目標化、グローバル・リーダーを育成する先進的な高校(スーパーグローバルハイスクール・仮称)を指定、国際的素養の育成支援等を提言している。
 さらに、Bに関しては、大学の授業をアクティブラーニングや双方向の授業展開などに質的転換を図り、厳格な成績評価を実施、中長期のインターンシップを導入、Cでは大学=十八歳という日本モデルを打破し、大学・専門学校等で社会人の新たな能力獲得のための学び直し機能を質・量ともに強化、Dでは私立大学が多彩で質の高い教育を展開し、グローバルな視野を持つ地域人材の育成や社会人の学び直しに積極的に対応できるよう、国が私立大学の財政基盤の確立を図ること、その際、建学の精神に基づく教育の質向上、地域の人づくりと発展を支える大学づくり、産業界や他大学と連携した教育研究の活性化等の全学的教育改革を更に重点的に支援することを求めている。
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