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記事2013年6月13日 2275号 (1面) 
産業競争力会議 成長戦略を取りまとめ
人材力強化へ大学改革実施 小学校での英語早期化、充実
 政府は六月十二日、総理官邸で第十二回産業競争力会議を開き、第一弾となる「成長戦略」を取りまとめた。十四日に閣議決定する。停滞を続けてきた日本経済を再生、飛躍させるための「第三の矢」となるもので、三つのアクションプランについて、民間の力を最大限引き出しながら、異次元のスピードで実行していくとしている。
 三つのアクションプランとは、「日本産業再興プラン」「戦略市場創造プラン」「国際展開戦略」。
 このうち、教育に大きく関係する日本産業再興プランでは、経済を新たな成長軌道に乗せるための人材力強化策として、大学改革、グローバル化等に対応する人材力の強化を打ち出しており、その大学改革ではスーパーグローバル大学(仮称)を創設し、今後十年間に世界大学ランキングトップ一〇〇に日本の大学十校以上が入ること、産学連携、イノベーション人材育成、若手・外国人研究者の活用拡大等を目指す。そのため、大学評価システムの構築、外国人研究者の大量採用、年俸制の本格導入、国立大学の運営費交付金の戦略的・重点的配分の拡充等に直ちに着手する。
 そのほか教授会の役割の明確化、抜本的なガバナンス改革のため、学校教育法等の改正案を次期通常国会に提出する。
 一方、グローバル化等に対応した人材力の強化では国家公務員試験や大学入試等にTOEFL等を活用、意欲と能力のある高校生、大学生等への留学機会付与、グローバル化に対応した教育をけん引する「スーパーグローバルハイスクール(仮称)」の創設、一部日本語による国際バカロレア認定校等の大幅な増加(平成三十年までに二百校)、小学校五、六年生における外国語活動の成果を今年度中に検証し、小学校における英語教育実施学年の早期化、指導時間増、教科化、中学校における英語による英語授業の実施等を今年度から検討し、逐次、必要な見直しを行う。そのほか、若者等の学び直しの支援のための雇用保険制度の見直し(次期通常国会に改正関連法案の提出を目指す)、労働時間法制の見直し(一年を目途に結論)、労働者派遣制度の見直し(八月末までを目途に検討結果取りまとめ)、女性の活躍支援等を打ち出している。
 特に、女性の活躍支援では、二十五〜四十四歳の女性の、平成三十二年時点での就業率を平成二十四年と比べ約五ポイント上昇させ、七三%とすること、女性の活躍促進や子育て等の両立支援に取り組む企業に助成金や税制上の措置を充実し、公務員では女性の採用・登用の拡大等の取り組みを促進する。さらに緊急プロジェクトとして、今年度から来年度にかけて、賃貸方式や国有地も活用した保育所整備、保育の量拡大を支える保育士確保、幼稚園での長時間預かり保育など新制度の先取り実施、認可を目指す認可外保育施設への支援、事業所内保育施設への支援等を進めていく、としている。
 また、地域活性化担当大臣の下に、「国家戦略特区ワーキンググループ」を設置、夏までに規制改革項目の選定を進める。特に、インターナショナルスクールの設置認可要件等の見直し、研究者等への労働契約法をめぐる課題の検討、公立学校運営の民間への開放(民間委託方式による学校の公設民営等)等について優先的に取り組んでいく方針。公立学校運営の民間への開放については速やかに検討を開始、早期に結論を得る方針。


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