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記事2013年4月3日 2268号 (1面) 
日本私立大学連盟
『グローバル・キャンパスの実現を目指して』公表
4分の3は 独自の取り組み実施
日本私立大学連盟の国際連携委員会(担当理事=日比谷潤子・国際基督教大学長、委員長=倉林眞砂斗・城西国際大学副学長)はこのほど、平成二十四年度報告書『グローバル・キャンパスの実現を目指して』を公表した。同委員会は「グローバル・キャンパスの実現」を、日本人学生と外国人留学生による@教育活動を通じた切(せっ)磋(さ)琢(たく)磨(ま)のための環境づくり、A集団内はもとより個人レベルでのより密な交流促進のための取り組み、B外国人留学生を特別視しない環境整備を目指した継続的かつ組織的な取り組みを目指すものと定義。各方面でグローバル化が進展する現代の日本にあって、「大学ではこれまで以上にグローバルな世界観を持った人材育成が求められており、グローバル・キャンパスの実現は不可欠」との認識で調査、研究を行ってきた。今回の報告書では、昨年十月〜十一月と今年一月に私大連盟加盟大学を対象に実施したアンケートの結果をまとめた。「日本人学生と外国人留学生が異なる互いの習慣や価値観等を理解し、共に学び合うための仕掛けづくり」について、実施状況と内容を調査した。加盟大学百二十四校のうち、「取り組みあり・検討中」と回答したのは九十二校。各校が現在行っている取り組みの四分の三は「大学独自の取り組み」が占めていた。これについて同委員会は「今後、地域を問わずグローバル人材育成の裾野を広げていくために、学外とのネットワークを構築、活用して『地域・企業と連携した取り組み』を意識的に展開していくことにも留意したい」と指摘。そのためには「取り組み成果の『見える化』に工夫を重ねることが欠かせないだろう」とした。アンケート結果はこのほか、現状の取り組みでは「グローバル化に対応した大学の教育環境整備」に係るものが特に多いこと等の傾向を明らかにしている。
 また、各大学が挙げた「今後の課題」を踏まえて、「参加者・利用者をどうやって増やすか、プログラムの正課化や取り組み時間の確保、人的資源の確保・活用等、それぞれの環境や経験に応じた課題が浮かび上がってきた。課題をあらかじめ承知しておくことも、成果を出す上で有用だろう」とまとめている。
 報告書は、アンケート結果に加えて参考取り組み事例を十四件掲載している。昨年十二月に開催された曄道佳明氏(上智大学学務担当副学長)の講演「大学におけるグローバル人材育成」のレジュメ等も掲載。


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