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記事2013年4月23日 2270号 (1面) 
定、通、総合学科検討へ
到達度テストの詳細を制度設計
中教審高等学校教育部会
中央教育審議会初等中等教育分科会の高等学校教育部会は四月二十二日、文部科学省内で第十八回会合を開いた。第六期中教審が終了、第七期中教審が発足したため審議が再開されたもの。
 この日は七期になって初の部会のため、部会長の選任が行われ、前期に続いて小川正人・放送大学教養学部教授が就任した。
 部会では事務局(文部科学省)から、改めて学校教育法における高校教育の位置付け、高校教育改革の流れ、同部会が今年一月にまとめた「審議経過報告」の概要が説明され、同省の布村幸彦・初等中等教育局長からは、新たに高校の定時制、通信制、総合学科の課題と振興策をまとめてほしいとの要請があった。
 部会で承認された検討課題は二点。そのうち一つ目が「多様な高等学校の学び」、二つ目がこれまで検討を続けてきた「高校教育の質保証に向けた評価の仕組み」。このうち当面先行して審議するのは「多様な高等学校の学び」で、▽定時制・通信制の課程における教育の課題と対応方策▽専門学科(専攻科を含む)の課題と対応方策▽総合学科の課題と対応方策。
 一方、既に検討を進めてきた高校教育の質保証に向けた評価の仕組みに関しては、今年の一月の審議経過報告の中で提案した基礎的・基本的な知識や技能、課題解決に必要な思考力・判断力・表現力等の到達度を把握する希望参加型のテストについて、目的、内容、対象者、実施時期、活用の在り方等について検討を深めることにしている。
 この日は、事務局による説明の後、各委員が高校教育に関する問題意識や検討課題に関する意見などを語った。委員からは、「一人で早く正確に答えを見つける教育」から「失敗を繰り返しながらも前に進んでいく教育」への転換は自己肯定感や学習意欲につながっていくとする意見や、希望参加型のテストが生徒の学習意欲を喚起するものでなくてはいけない、とする意見などが聞かれた。また、「生徒はさまざまなテストを行い、学力がどの程度か分かっている。新たな到達度テストは希望参加型だが、進学や就職にどう生かされるのかインセンティブがないと、生徒は(到達度テストで)到達度を上げていく気持ちにつながらない」「この部会だけで決まられない問題もある」との意見が出された。小川部会長も具体的な制度設計をすればするほど、部会だけで決められる問題が少ないと語り、他の部会等と整理が必要だとした。
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