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記事2013年2月13日 2263号 (1面) 
文部科学省 設置計画履行状況等調査結果公表
見通しの甘さや準備不足指摘 経営状態で調査結果も
文部科学省はこのほど、平成二十四年度の設置計画履行状況等調査結果を公表した。
 この調査は、大学が設置された後、完成年度(卒業生を出す)までの大学等、届け出で設置された学部等、完成年度を迎えたもののうち昨年度に留意事項を付された大学、完成年度に達する新設の大学院等を対象に、同省の大学設置・学校法人審議会大学設置分科会の設置計画履行状況等調査委員会(主査=鈴木典比古・財団法人大学基準協会専務理事)が、授業科目の開設状況や教員組織の整備状況等について、書面調査や面接調査、実地調査の方法で調べた。アフターケアともいわれる調査。二十四年度は約千二百件の調査を実施した。
 調査結果によると、設置計画全般では、入学定員や教育課程、教員組織等の大幅な変更を行っている大学があり、総じて設置構想段階の見通しの甘さや設置計画の準備不足によるものとし、教育課程に関しては、キャップ制(単位の過剰登録を防ぐため一年間等に履修登録できる単位の上限を設ける制度)の上限単位数が多すぎて、本来の趣旨に沿っていないことなどを指摘。
 教員組織に関しては、専任教員の未就任や退職により授業が未開講、開講時期の変更などで当初の理念や計画の実現が懸念される大学、基準を下回る専任教員数の大学、また、FDではその一環として実施されている学生による授業評価の結果が学生にフィードバックされていない事例等が見られ、施設・設備では専門誌や学術雑誌の種類の不足等が指摘された。
 一方、大学等設置に係る寄附行為(変更)認可後の財政状況や施設等整備状況も調査されており、同時期に同審議会の学校法人分科会が調査した結果が公表されている。
 認可以降の留意事項の履行状況、施設・設備の年次計画の実施状況、経営の実態について、原則として完成年度に達するまで毎年度、調査が行われる。
 平成二十四年度調査では、定員の未充足など改善が十分でないため、同じ内容について継続して留意事項を付される事案が見られたことや、財務情報を一般公開(ホームページに掲載)していない学校法人、帰属収入と消費支出との差額を示す帰属収支差額が近年連続してマイナスの状態にある学校法人に改善を求めたことなどを指摘している。このほか法科大学院や教職大学院の調査結果も公表された。


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