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記事2013年12月13日 2292号 (1面) 
私学助成関係予算満額実現を
日私中高連 日私小連 日私学保連 私学振興全国大会を開催
下村文科相 私学進学の環境作りの考え表明
教育費負担軽減等の願い 高市自民党政調会長に提出

日本私立中学高等学校連合会(吉田晋会長=富士見丘中学高校長)、日本私立小学校連合会(矢崎昭盛会長=国本小学校校長)、日本私立小学校中学校高等学校保護者会連合会(新延克己会長)の3団体は、12月3日、東京都千代田区の東京都日比谷公会堂に私学の保護者や校長ら2千人を集め、私学振興全国大会を開催した。大会では出席した下村博文・文部科学大臣や自由民主党の高市早苗・政務調査会長ら約20人の国会議員に私学関係予算の拡充や保護者負担の軽減等を要請した。




 大会では公務の合間を縫って駆けつけた下村大臣の挨拶がまず行われた。その中で下村大臣は、「今年はすでに高校無償化見直し法案が成立した。同じ4千億円を使うのなら公私間格差是正のための改善、低所得者への更なる厚い手立てをすべきであると考えていた。来年4月の新高校一年生から該当させる。給付型の奨学金も創設する。また私学助成の充実などで国がしっかりバックアップすることによって安心して子供たちが希望する私立学校に通わせることができるような環境作りが大切」と語った。

 主催者を代表して挨拶した吉田会長は、政府の教育再生実行会議での改革論議に触れ、「(教育改革は)子供たちを中心に考え、あまり性急にならず、子供たちのために何が良いか検討してほしい。私立学校がグローバル化教育推進のように新しい教育に対応して教育の質を高め、また施設の耐震化、教育のICT化等施設・設備の充実を図るについては、保護者負担を少しでも抑えられるよう私学助成の更なる充実をお願いするほかない」と要請。また、自民党議員により制定された私立学校振興助成法は、私学振興の原点で、心から感謝していると語り、「(同法の目的の)教育条件の維持向上、修学上の経済的負担の軽減、私立学校の経営の健全性を高めることのそれぞれに込められた熱い思いをかみしめ、当面の平成26年度私学助成予算概算要求の満額達成に国会議員の先生方の一層のお力添えをお願いしたい」と要望した。

 また新延会長は、保護者の負担する教育費の公私間格差の更なる是正、新しい教育への対応を含め教育の更なる充実が図られるよう公的支援の拡充強化の実現と並び、子供たちの安心・安全を確保するため私立学校施設の耐震化については、国公立と同様に国の全面的支援の充実を要請した。

 近藤彰郎・日本私立中学高等学校連合会副会長は、今まで積み上げてきた良い教育を継承、新しい教育を創造していくためには私学の自主性・独自性が担保されなくてはいけないこと、新しい教育には資金がかかるため、公立と同様の支援が必要なこと、教育改革に関しては、目の前にいる生徒にエネルギーを払いながら新しい教育も探求していくため、あまり拙速にならないよう要請した。来賓の石原伸晃・環境大臣は、学校施設の耐震化における国公私立間の補助率の格差是正の重要性を強調、教育の情報化に関しては、早急に進める必要性を力説した。また、自民党を代表して高市政調会長は、「私立学校振興助成法は昭和50年に成立したが、自民党所属の国会議員による立法で、この精神でしっかり私学振興を図っていく。公私間格差もなくしていく。お子さん、先生方の命を守る対応もしていく。これがわが党の強い決意。先生方と関係の皆様と力を合わせこれからの日本を支える子供たちを育て上げましょう」と語った。河村建夫・元文部科学大臣は、「私学教育についてはしっかり応援しながら、日本の教育全体が緩みのないようにしたい」と語った。

 その後、保護者を代表して愛媛県の山本紫さんが、保護者負担の更なる軽減や私学関係政府予算の拡充等を柱とする「保護者の願い」を読み上げ、その場で文書が高市政調会長に手渡された。

 さらに私学関連補助金等の大幅な拡充強化など3点を柱とする決議案が日私学保連の島篤副会長から読み上げられ、満場一致で採択、その場で山谷えり子・自民党参議院政策審議会長に手渡された。山谷会長は「皆で決議の実行・実現に努めてまいりたい」と語った。
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