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記事2013年11月23日 2290号 (2面) 
日私教研 初任研地区運営委員全国会議開く
21世紀型教育に  も徐々に対応へ

 一般社団法人日本私学教育研究所(吉田晋理事長、中川武夫所長)は、10月15日、東京・市ヶ谷の私学会館で「平成25年度私立学校初任者研修地区運営委員全国会議」を開催した。

 この会議では、今年度に実施された14地区での初任者研修会の概要や今後の方針が同研究所から報告・説明され、地区ごとに来年度の初任者研修の在り方等を話し合った。

 同研究所の実施する初任者研修地区研修会は北海道・東北地区、北関東地区、九州地区、小学校(東日本地区)など全国14の地区で実施されており、地域内の都道府県の私立小・中・高校の新規採用教員等が参加している。新規採用教員の中には公立学校勤務経験者や非常勤講師として長年、教職経験を持つ参加者もおり、参加する教員の年齢構成は一様ではない。

 今年度、全国で1380人の教員の参加を予定していたが、実際は1612人が参加した。昨年度も同様な状況だったため、同研究所からは初任者研修地区運営委員に、より実態に近い参加予定数の設定が要請された。

 各地区の初任者研修は、私学の教員としての基本に関わる講義のほか、学習指導、生徒指導、学級経営等に関する研修、不登校・発達障害に対する理解、カウンセリング、グループ討議といった内容のほか、「新任教員が今一番聞きたいこと」をテーマにしたシンポジウム形式の研修、実践発表、教員現場の危機管理など多彩な研修プログラムが行われている。

 同研究所は、平成26年度以降の初任者研修事業等に関して「私立学校初任者研修等事業検討委員会」(委員長=平方邦行・工学院大学中学高校長)を中心に3年にわたり、各地区研修の視察も含め、検討を進めてきたが、この日は、平方委員長が同研究所理事長、所長に答申する概要について報告した。

 平方委員長は、「この3年間に教育を取り巻く状況は大きく変化した。変化への対応の研修がないと私立学校の先進性は損なわれる。研修ですべてを網羅することは難しいが、世界の教育を無視して初任者研修はできないと感じている。21世紀型の教育について初任者に尋ねたが知っていた先生はゼロだった。教授法にイノベーションを起こしていかなくてはいけない。日本のICT教育環境は海外にほとんど追いついていない。バカロレアの日本語DP等々、非常に速いテンポで動いている。日本の教育を世界標準に持っていく動きがある。そうしたことも初任者研修に入れていくことを検討していく必要がある。少しずつ検討を重ねながら改革できるところは改革していく」と語った。

 その上で、同研究所の山路進・主任研究員は、@かなりの教職経験者もいることも考えた内容にA人間に関心の薄い教員もいるため、人間教育にしっかり打ち込める研修B学習指導では個別な教科ではなく学習意欲を高める授業づくり、新しい学力観やグローバル化への対応などを盛り込んだ研修を要請した。

 このほか、同研究所では初任者研修全国研修会を毎年秋に全国2会場で実施している。
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