こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2013年11月13日号二ュース >> VIEW

記事2013年11月13日 2289号 (2面) 
達成度テストの在り方で議論
年度内には一定の方向性示す
高大接続特別部会

 中央教育審議会の高大接続特別部会(部会長=安西祐一郎・独立行政法人日本学術振興会理事長)は、前回から約半年ぶりの11月8日、都内で第8回会合を開き、教育再生実行会議の高橋道和担当室長から第4次提言内容の概要について聴取、その後、委員間で意見交換を行った。

 第4次提言は達成度テスト(発展レベル、基礎レベル)の創設が教育関係者やマスコミ等の最関心事となったが、この日の部会でも達成度テストが主要なテーマとなった。委員からは「達成度テストを受けないと大学に願書を出せないのか」「複数回実施は必須なのか」「基礎レベルのテストの規模はどの程度か」「2つのテストのどちらを受験するか、あるいは両方を受けるのか、個人で選べるのか、学校の選択か」などの意見が聞かれた。

 またこの日は第4次提言を踏まえて文部科学省から検討課題が示されたが、その検討課題は、@多面的・総合的に評価・判定する大学入学者選抜への転換A大学の人材育成機能の強化B高等学校教育と大学教育の連携強化が柱。その下には14項目の課題を列挙している。しかし文科省は詳細な技術的な課題は別の場で検討する意向で、同特別部会には来年3月までの平成25年度内に一定の方向性、大きな枠組みを示してほしいと話した。

 しかし委員からは「そんなに早く方向性を出していいのか」といった意見が出された。また第4次提言後、教育再生実行会議が6・3・3制見直し議論を開始したことに触れ、「(有力といわれている)4・4・4制について、国は、国立大学の付属校で実験したのか」と話し、子供たちのことを考えての改革を求める意見が聞かれた。

 このほか達成度テスト(発展レベル)は将来的にはコンピュータを利用した試験方式(CBT)で実施することや、言語運用能力、数理論理力・分析力、問題解決能力を測る問題の開発も検討するよう提言しているが、委員から検討状況の照会があったが、文部科学省は「CBTは大学入試センターを中心に検討している。5万〜10万問のストックが必要で、インフラ整備もあるので時間がかかる」とし、また数理論理力等を測る試験は研究開発中で、実用段階に耐えうるかモニタリング調査中だ」と答えた。達成度テスト等については高校教育部会と連携して審議していく。



記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞