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記事2013年10月3日 2285号 (1面) 
中央教育審議会の動向
サテライトキャンパス論点に
本キャンパス存在意義問われるケースも

大学分科会大学教育部会




 中央教育審議会の大学分科会大学教育部会(部会長=佐々木雄太・名古屋経済大学・同短期大学部学長)は9月20日、文部科学省内で第25回会合を開いた。主要な議題は「大学の質保証の充実について」で、特に認証評価制度の改善と大学設置基準に論点が絞られた。

 認証評価制度については、前回までの議論を踏まえて検討の方向性を整理。「学修成果や内部質保証を共通の評価項目に位置付ける」「大学の多様化への対応として各大学の特定の教育研究活動に重点を置いた評価を実施」「評価結果を具体的な改善につなげるため一定期間経過後に検証」「提出資料等の負担を軽減」「評価の際に高校や自治体、産業界など幅広い関係者に聞く」等を方向性として挙げた。

 大学設置基準に関しては、法令上詳細な規定がない「サテライトキャンパス」が論点となった。本キャンパスから遠く離れて独立的に運用されるサテライトキャンパスがあり、そこでの学修のみでも学位取得が可能なため、本キャンパスの存在意義が問われるケースが起きつつある。また、大学設置基準に規定されているがサテライトと外形的な区別ができない「別置キャンパス」の位置付けも論点に挙げられた。

 委員からは「認証評価は7年に1度だが、特定の教育研究活動の評価は毎年実施してもいいのでは」「保護者による評価は『大学に入ってどれだけ伸びて卒業したか』の視点もある」「設置基準はオンラインの講義や図書館の普及など長期的視点で考えるべきだ」「制約を増やすとグローバル展開を阻害するのでは」「サテライトも各大学の理念に沿うべきなのに学則に記載されていないことが問題」等の意見が出た。

 この日の会合では他に、短期大学の機能と教育の在り方等を審議する「短期大学ワーキンググループ」を同部会の下に新設することが決定した。






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