こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2013年10月13日号二ュース >> VIEW

記事2013年10月13日 2286号 (1面) 
学事暦の多様化とギャップターム
文科省が専門家会議を設置
推進に向け環境整備策検討

 文部科学省は10月4日、同省内で「学事暦の多様化とギャップタームに関する検討会議」の初会合を開いた。座長には鈴木典比古・国際教養大学理事長・学長が選出された。

 グローバル化が進展する中、東京大学等は海外で主流である秋入学への移行を検討している。その場合に生じる高校卒業後の半年間の空白を「ギャップターム」と呼び、学生が留学やボランティア、インターン等を体験する期間とすることが検討されている。5月に出された教育再生実行会議第3次提言にも、学事暦の柔軟化、留学等への支援強化といった内容が盛り込まれた。同検討会議はそれらを踏まえて設置されたもので、産学官などの関係者が学事暦の多様化とギャップターム推進に向けた環境整備について検討する。

 下村博文・文部科学大臣は冒頭のあいさつで、「これらは大学の国際競争力とも深く関わる。秋入学を推進する大学や、ギャップターム期間の留学の支援や奨学金も考えている」と述べ、審議に対する期待を表した。

 委員の一人、濱田純一・東京大学総長は秋入学実現に向けた同大学の取り組みを説明。現行の夏冬2ターム制よりも柔軟な履修が可能な4ターム制への見直し案や、平成24年度から夏季休業中に1週間程度の規模で試行しているギャップターム活動について詳しく述べた。

 その後は各委員が、検討課題である「学事暦の多様化とギャップターム推進の意義・理念」「ギャップターム期間中の活動」「制度設計と支援内容」についてそれぞれ意見を表明した。「ギャップタームで明確な職業観を醸成させたい」「知識習得型でなく創造的思考力を身に付ける機会にすべきだ」「地方には秋入学移行を歓迎しない大学も多い。入学を春秋並行できる学事暦は設計できないか」等の意見が出た。次回は11月中旬に開催予定。



記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞