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記事2012年8月13日 2247号 (1面) 
初中分科会高校教育部会
高校教育の「コア」など審議 年内には一定の方向性確定
 中央教育審議会初等中等教育分科会の高等学校教育部会(部会長=小川正人・放送大学教養学部教授)は、八月十日、文部科学省内で第十一回会合を開き、@高校生に最低限修得させるべき事項(コア)とA高校教育の質保証の在り方に関する議論を開始した。
 前回までに審議経過報告である「課題の整理と検討の視点」を取りまとめたことから、今後は年末にかけ高校教育のコアと質保証の在り方について議論し、ある程度の方向性を定めることにしている。また、年明け以降は高校教育の振興方策について検討する。
 第十一回会合では、同省が、平成二十五年度から学年進行で全面実施となる高校の新学習指導要領の概要と、民間の研究所が二年前に実施した高校生の勉強に関する意識調査の結果概要等が説明され、続いて金子元久委員(筑波大学大学研究センター教授)が、高校から大学への接続等に関する調査(金子元久氏が研究代表者)結果を報告した。その中では高校生の学習時間が極めて少ないこと、学習習慣ができていないこと、人間関係(友人との付き合い)に生きがいを見いだしていることなどを説明、高校生の実態が取り上げられず、解決すべき問題について正面から議論されていないなどと語り、高校教育の質保証が急務であることなどを力説した。
 この後、委員による自由討議が行われ、委員からは、「子供たちは日頃、大人の姿を見ているから夢が持てないのだ」「授業以外の勉学に関しては、学習指導要領の卒業単位数の縛りがある中では難しい」「工業高校の実習で生徒たちは生き生きしている」などの意見が出され、また、金子氏の調査に関してサンプル数が少なすぎる、基礎的な学力をどう見ているのかなどといった問題を指摘する意見も聞かれた。
 このほか委員からは、「生徒は自己肯定感が低いが、教育界全体を覆っている問題だ」「幸福感がない」などの意見が聞かれ、「教えられるだけの授業ではだめ」といった指摘もあった。
 次回会合は九月七日。引き続き、高校教育のコアや質保証の在り方を議論していく。


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