こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2012年7月3日号二ュース >> VIEW

記事2012年7月3日 2243号 (1面) 
特区評価・調査委 株立学校全国展開断念、特例措置是正へ
広域通信面接指導等は特区内でのみ
学法化の希望には文科省が相談対応
 政府の構造改革特別区域推進本部の「評価・調査委員会」(委員長=樫谷隆夫・公認会計士)は、六月二十九日、都内で第十九回本委員会を開き、「学校設置会社による学校設置事業」(特例措置番号816、いわゆる株式会社立学校の設置)について、「全国展開は適切ではない」との意見で一致、評価を「是正」とすることを決めた。近く、評価意見を本部長である野田総理大臣に提出。それにより特例措置の運用が見直される。具体的には、内閣府は平成十八年八月一日付で発出した通知「株式会社立通信制高校に係る特定事業に関する取扱いについて」を踏まえて、面接指導等(面接指導、添削指導、試験)が特区区域内で行われるよう、改めて認定団体に対して周知・指導する。文部科学省は適切な教育活動が実現するよう認定団体に対して周知・指導する。また、同省は学校に対する助言指導のノウハウの乏しい認定団体に指導助言する。
 一方、新たな特区計画の申請があった場合、その認定は、そうした要件について認定申請団体に確認した上で行うこと。文部科学省は認定の同意に当たって、関係法令・通知等を踏まえた適切な教育活動の実施について助言する。既設の株式会社立学校が学校法人への移行を希望した場合については、新たな学校の設置ではなく、「設置者変更」として認可を行うなどのこれまでの制度の弾力化等について情報提供を行っていくこと、相談窓口を設けて個別にきめ細かく対応していく。
 この日の会議には文部科学省の担当官も出席したが、「特区計画を申請する市町村が高校に関するノウハウに乏しく、市町村が株立学校を誘致しているため、株式会社立学校に指導・助言しにくい、といった構造的な問題がある」とした上で、「株式会社立高校の生徒にも国から就学支援金が出ている。責任ある運営が求められている」と語り、高校教育としての質の保証、運営の適正化の必要性を改めて強調した。
記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞