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全私学新聞

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記事2012年7月23日 2245号 (1面) 
教育費の所得控除創設など要望
平成25年度 税制改正要望を提出 全私学連合
寄附税額控除の要件撤廃 消費税収の教育目的充当等も
 全私学連合(清家篤代表=慶應義塾長)は七月六日、「平成二十五年度私立学校関係税制改正に関する要望」を文部科学省に提出した。同省が平成二十五年度税制改正要望をまとめるに当たって行った意見募集に私学団体として要望する税制改正事項を提出したもの。

被災校の復旧・復興の特例措置の拡充を

 全私学連合が要望の中で最重点要望事項としたのは五点。@教育費にかかる経済的負担軽減のための措置の創設A学校法人に対する寄附促進のための措置の拡充B都道府県私立学校退職金団体の退職金事業に係る利子等の非課税措置C消費税率の引き上げに対する優遇措置の創設D東日本大震災により被災した学校法人の復旧・復興支援のための特例措置の拡充。
 このうち@では、▽私立学校生と国立大学生との教育費負担の格差是正の観点から、教育費の所得控除制度の創設▽特に教育費負担の重い大学生について重点的に支援するなど扶養控除の見直し▽多様な年齢層(社会人等)の学生が負担する教育費について、一定額を税額控除する制度を創設する▽教育費の相続税及び贈与税にかかる税額控除制度の創設―を要望。
 Aでは、▽個人からの寄附にかかる税額控除の対象要件(直近の過去五事業年度において、三千円以上の寄附者が年平均百人以上など)の撤廃▽寄附金控除の年末調整の対象化など手続きの改善▽寄附金控除の対象となる寄附金の範囲拡大(新入生またはその保護者が入学後四月以降に学校法人に任意に支出する寄附金)▽寄附金控除限度額の拡大(所得の四〇%↓五〇%)及び繰り越し控除制度の創設(所得控除限度額を超えた場合に五年間を限度に繰り越し控除できる)▽寄附金控除除外額(適用下限額二千円)撤廃を求めている。
 Bでは、▽都道府県私立学校退職金団体が一般社団法人または一般財団法人に移行した場合に、特定退職金共済団体に準じ、従前どおり利子の非課税措置維持を要望、非課税措置は公教育機関の私立学校の安定人材確保に寄与し、私学振興、公教育の健全な発展から必要不可欠としている。
 Cでは、▽税収の一部を給付型奨学金の創設など教育目的に充当する、消費税率の引き上げによる負担増を学校法人に還付または軽減する、学生が負担する消費税の増額分を軽減する制度を創設するなどを求めている。
 Dでは、▽被災した私立学校の入学者に対する教育費の税額控除制度の導入▽被災した学校法人の復旧にかかる費用の消費税の減免措置の創設▽被災した学校法人に対する寄附の特例措置の拡充を求めている。
 また、重点要望事項としては、資産運用収益に対する非課税措置の維持、収益事業に対する軽減税率の維持・拡大、収益事業収入の公益事業への繰り入れ額に係る現行の損金算入限度額(五〇%または二百万円)を維持・拡大することを要望している。


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