こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2012年7月13日号二ュース >> VIEW

記事2012年7月13日 2244号 (1面) 
全国私学教育研究集会岩手大会10月に盛岡で開催
岩手大会の研究目標 未来を拓く私学教育
人間力を養い人格の完成を目指す
少子化時代の私学経営など研究協議
防災対策等テーマに分科会討議も

 第六十回全国私学教育研修集会岩手大会が十月十一・十二の両日、岩手県盛岡市内のホテルを会場に開かれ、全国から私立中学高校の校長や教員ら約六百人が参加する。研究集会は一般財団法人私学研修福祉会の主催。

 今年の研究目標は、「未来を拓く私学教育―人間力を養い人格の完成を目指す―」で、後援は岩手県、盛岡市、日本私立中学高等学校連合会。実施は社団法人岩手県私学協会、新潟県・東北6県私立中学高等学校協会協議会、協力は一般財団法人日本私学教育研究所。
 研究集会初日は全体集会で、開会式、続いて全体会の予定。全体会では岩手女子高校の書道部と詩吟同好会の生徒が日頃の練習の成果を披露。
 その後、日本私立中学高等学校連合会の吉田晋会長と日本私学教育研究所の中川武夫所長が「教育政策と私学情勢について」のテーマで私立学校を取り巻く課題とその対応状況等を報告する。
 続いて、直木賞、吉川英治文学賞など数多くの受賞歴を持つ作家の高橋克彦氏が「和のこころ」と題して記念講演を行う。
 二日目は終日六つの部会に分かれて研究協議。各部会の研修概要は次の通り。
 ■私学経営部会=研究目標は「少子化時代に対応した私学経営のあり方」。午前中は實吉幹夫・東京女子学園中学高校理事長・校長の講演「明日を築く私学教育と学校経営―国の改革動向を見据えて―」と小川彰・学校法人岩手医科大学理事長・学長の講演「厳しい時代だからこそ期待される私学教育」。
 午後は、光星学院高校(青森)、学校法人石川高校(福島)、帝京長岡高校(新潟)が自校の学校改革を研究発表する。また岩手県の私学所管課が同県の私学振興策などを報告する。
 ■教育課程部会=研究目標は「新学習指導要領と私学がつくる魅力ある教育課程」。
 午前中は、水原克敏・早稲田大学教育・総合科学学術院教育学研究科特任教授が「新しい時代の魅力的な学校をつくるためのカリキュラムの開発」について講演、日私教研の中川所長が最近の教育改革の動向など中央情勢報告を行う。
 午後は、東北生活文化大学高校(宮城)、山形学院高校(山形)、郡山女子大学附属高校(福島)が自校のカリキュラムづくり等を研究発表する。
 ■法人管理事務運営部会=研究目標は「学校が抱えるリスク―そのときのために…―」。午前中は、さいとう製菓の齊藤俊明代表取締役社長が「震災からの復興」の演題で基調講演、岩手県立花泉高校事務長(前岩手県立高田高校主任主査)が「東日本大震災を経験して〜津波襲来から学校再開まで〜」の演題で講演する。
 午後は、酒井悦嗣・株式会社日本リスクマネジメント代表取締役社長が「学校のリスクマネジメントと実践対応について」の演題で講演する。その後は防災対策、苦情対応をテーマにした二分科会での研究協議。
 ■進路指導部会=研究目標は「社会の変化に対応し、一人ひとりに寄り添い夢をかなえる進路指導の実践」。午前中は、「大学教育の現状と課題―キャリア・パスの視点から高大接続・高大連携を考える」の演題で齋藤俊明・岩手県立大学総合政策学部教授が講演。そのほか午前中に明桜高校が研究発表する。午後は、東北高校、いわき秀英高校が大学進学等の進路指導実践を研究発表する。
 ■生徒指導部会=研究目標は「規範意識の低下にどう対応するか」。午前中は田中範男・東北芸術工科大学デザイン工学部企画構想学科教授が「楽しむ力」をテーマに講演、東奥学園高校が同校のチケット制指導について研究発表する。
 午後は岩手県教育委員会が取り組みについて講演。そのほか東北学院中学高校が同校の容儀・遅刻指導について研究発表する。
 ■特色教育部会=研究目標は「私学における独自性と公共性の今日的意味を考える」。午前中は、渋谷教育学園渋谷中学高校の田村哲夫理事長・校長が「これからの日本・これからの教育」のテーマで、続いて小池俊夫・昭和女子大学総合教育センター教授が「『子どもと向き合い、豊かな人間を育むことに心を砕く』という教育の原理に立ち、『普通の教育』に励むことこそ大きな特色」の演題でそれぞれ講演する。
 午後は、山形電波工業高校(山形)、中越高校(新潟)、盛岡中央高校(岩手)が各校の特色ある教育を研究発表する。
記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞