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記事2012年6月13日 2241号 (2面) 
中央教育審議会の審議動向
文科省の大学改革実行プラン発表に
中教審との関係ただす意見 「改革後の展望見えない」の声も
大学分科会大学教育部会 
中央教育審議会大学分科会の大学教育部会(部会長=佐々木雄太・名古屋経済大学長)は六月七日、文部科学省内で会議を開き、同省が五日に発表した大学改革実行プランについての説明が行われた。
 同プランは、平成二十四年から二十九年を大学改革実行期間と位置付け、国立大学改革や入試改革、大学の質保証等について具体的な取り組みが盛り込まれている。
 一方、同部会においても、大学教育の質向上、改革について今夏をめどに答申をまとめるための審議を進めており、委員からは「中教審は何かという疑念を抱かれかねない」など、中教審と同プランとの関係についてただす意見が出た。
 同プランは、大学改革の具体的な方向性として@大学教育の質的転換と大学入試改革Aグローバル化に対応した人材育成B地域再生の核となる大学づくりC研究力強化‥世界的な研究成果とイノベーションの創出D国立大学改革E大学改革を促すシステム・基盤整備F財政基盤の確立とメリハリある資金配分の実施G大学の質保証の徹底推進―の八点を打ち出している。
 このうち、大学入試については、知識偏重型の入試を見直し、志願者を多面的・総合的に評価できる入試へと転換を図るべく、中教審で具体的な検討を開始するとしている。
 私立大学の質保証としては、経営上の課題を抱える学校法人について早期の経営判断を促進するシステムを確立し、改善の見込みがない場合には退場を求めることも検討するとしている。
 委員からは「ペーパーテスト偏重、というが、実際は入試は多様化しているのではないか」「グローバル人材の育成というが、無国籍人材≠フ育成になりかねない」などの意見が出た。
 また、プラン全体については「実行する上での財政的裏付けはあるのか」「改革後どうなるのかという展望が見えないと疲弊するだけ。全体像をどうするのかという議論をきちんとしてほしい」「国として教育全体をどうしていくのか、その上で大学分科会としてどこをやるのかという絞り込みをしてほしい」などの意見が出た。
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