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記事2012年5月3日 2238号 (2面) 
専修学校の質の保証・向上で調査研究協力者会議
学校評価ガイドラインとりまとめへ
夏には「中間報告」>その後設置基準見直しも
文部科学省はこのほど、「専修学校の質保証・向上に関する調査研究協力者会議」を設置、五月八日、同省内で初会合を開いた。
 成長分野の人材養成などが期待される専修学校だが、その一方で質保証・向上も求められており、今回の協力者会議では、専修学校の自己評価、学校関係者評価等や、教職員の資質向上に関する取り組みの改善・充実策、質保証等に係る専修学校設置基準の在り方等を検討する。当面は、専修学校の自己評価のガイドラインや情報公開の方向性等を夏頃までにまとめる予定にしている。
 同協力者会議の座長には黒田壽二・金沢工業大学学園長・総長が、また副座長には今野雅裕・政策研究大学院大学教授が就任した。
 専修学校教育の質向上等に関しては、昨年三月、同省が平成二十一年十一月に設置し、二十三年三月に報告をまとめた「専修学校教育の振興方策等に関する調査研究協力者会議」が、「法律上の義務とされた自己評価等への対応については、『ガイドライン』を示し、その確実な実施と取り組みの充実を図る。第三者評価についても、専修学校が進める自主的な取り組みを促す」と、また、「法律で義務付けられた積極的な情報提供等への取り組みについて、『ガイドライン』を示し、その取り組みの実質化を促す」などの対応方策の必要性を提言していた。
 ただし同省が社団法人東京都専修学校各種学校総連合会に委託して今年二月に実施された「専修学校の質保証・向上に資する取り組みの実態に関する調査研究事業」の報告書(暫定版)では、義務とされている自己評価の実施・公表について「実施し、かつ公表している」と回答した専修学校は一七・一%どまりで、「実施しているが、公表していない」と答えた学校が四五・一%、「実施していない」とした学校が三三・六%、「その他」が四・二%だった。実施していない理由としては、「要員が確保できない」「時間がない」「実施方法が分からない」がトップスリーだった。
 調査は約三千校の専修学校を対象に実施、回収率は五五・六%だった。
 調査の概要を報告した同省の圓入由美・生涯学習政策局生涯学習推進課専修学校教育振興室長は、実施率が低調なものの、自己評価実施校はその効果を実感していること、専修学校の学校評価のガイドラインが求められていることなどを報告した。
 初会合では、出席した十三人の委員が意見を述べたが、専修学校の多様性が担保される、あるいは専門学校の特色が生きる柔軟なガイドラインの必要性や、卒業生による評価の重要性などが指摘された。


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