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記事2012年4月23日 2236号 (1面) 
中教審・教員資質能力向上特別部会
基本制度WG報告を討議
私立学校の扱いまだ不明確
中央教育審議会の「教員の資質能力向上特別部会」(部会長=田村哲夫・渋谷教育学園理事長)の第十一回会合が四月十八日、都内で開かれた。
 この日は、同特別部会の下に設置され、昨年七月以降、教員養成改革の方向性等を検討してきた基本制度ワーキンググループ(座長=横須賀薫・十文字学園女子大学長、以下、WGと表記)の報告「教職生活全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策について」の概要が横須賀座長等から説明され、審議が行われた。同報告の柱である、学び続ける教員を支援する仕組みを構築する、との方向性に関して特別部会委員から異論はなかったが、さまざまな意見が出された。この中で吉田晋委員(日本私立中学高等学校連合会長)は、「(改革案で)私立学校はどこまで縛られるのかはっきりさせてほしい。基礎免許状保有者が、修士レベル化(一般免許状取得)のためにかかる費用を考えたら、そうしたことへの予算措置も大事。基礎免許状で生涯、教員を務めるのはだめなのか。採用後のことを明確に文書でうたってほしい」と発言。藤原和博委員(前杉並区立和田中学校長)も「基礎免許状で三十年間勤め上げてはいけないのか。基礎免で生涯行ければ教員志望者は私立学校に行く」と語った。
 文部科学省は基礎免許状と一般免許状の関係について、「個別の私立学校での研修や私学団体の研修について、基礎免許状保有者が一般免許状を取得できる修士レベルの課程等での学修として認定されるのか、まだはっきりしていない」と述べた。そのほか「報告書は教職大学院を評価しているが、モデルケースとして進めていくならば、もっと教職大学院を精査してほしい」「スクラップアンドビルドで進めてほしい」などの意見が聞かれた。
 同省では、同報告を一部修正の後、パブリックコメントの手続きに入り、その後、改革内容等を、現在、省をあげて作成中の「第二次教育振興基本計画」に盛り込む意向。
 教員免許法等の改正に関しては、委員から「ある程度の目標、メドを示してほしい」との発言もあったが、同省から明確な回答はなかった。
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