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記事2012年3月3日 2231号 (1面) 
株式会社立学校の学法化促進
特区評価・調査委員会が評価意見とりまとめ
学校設置会社による学校設置事業に関して 異例の評価意見なし
若月部会長教育部会で速やかに結論
 政府の構造改革特別区域推進本部の評価・調査委員会(樫谷隆夫委員長=公認会計士)は三月二日、都内で委員会を開いた。この日は、平成二十三年度評価予定の「学校設置会社による学校設置事業」(特例措置番号816)の全国展開(=規制緩和により全国で株式会社が学校を設置できるようにすること)の是非について、引き続き二十四年度に継続審議することを確認した。この席で文部科学省の牛尾則文・大臣官房総務課行政改革推進室長は、株式会社立高等学校等の八五%が学校法人への移行を望んでいることに関連して、現行制度でも学校法人への移行には柔軟な対応が可能で、今後、そうした点の周知徹底を図っていくこと、今のままで全国化は厳しいなど同省の意向を改めて説明、平野博文・文部科学大臣も同特例措置については廃止を求める意向であることなどを伝え、速やかな評価結果を要請した。

 この日の評価・調査委員会では、同委の医療・福祉・労働部会、地域活性化部会、教育部会が、それぞれ規制所官省庁と一年間検討してきた特例措置に関する評価結果を報告した。このうち教育部会に関しては、若月秀夫部会長(品川区教育委員会教育長)と同委事務局(内閣官房)が「インターネット等のみを用いて授業を行う大学における校舎等施設に係る要件の弾力化による大学設置事業」(同832)と、「市町村教育委員会による特別免許状授与事業」(同830)の評価結果を報告したが、同部会で最も熱心に議論された「学校設置会社による学校設置事業」に関する評価意見案の報告は行われなかった。二月十四日の教育部会では特例措置816に関しては二十四年度以降に再度評価を行うこと、その旨を評価・調査委員会に報告することなどを決めていたが、それが約半月で急遽、報告なしに変わったのは極めて異例。
 それでも若月教育部会長は、評価意見案の報告の最後に口頭で、株式会社立学校は経営的に苦しい学校が多く、小学校、高等学校の八五%は学校法人化を望んでいること、通信制高校などは教育上の課題があり、その一方で特例措置は地域の活性化や雇用創出など一定の効果を上げていること、ただし教育部会の多くの委員からは現在のままで全国展開は厳しいとの意見など、同特例措置を巡る状況を報告した上で、「できるだけ部会で論点を集約して対応策を議論し、まとめ、評価・調査委員会に報告したい。長年検討し続けている。いつまでも同じ状況を続けられない。一定の方向性を示す時期だ」と語った。


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