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記事2011年9月3日 2214号 (2面) 
大学教育の現状めぐりで問題提起
勉強しない学生、密度低い教育
大学分科会大学教育部会
中央教育審議会大学分科会の大学教育部会(部会長=佐々木雄太・愛知県立大学長)は八月二十二日、文部科学省内で会議を開き、今後の審議の進め方などについて意見交換を行った。
 金子元久・国立大学財務・経営センター教授が、日本の大学教育について問題提起。「学生が勉強していない」「教育の密度が低い」「教育システムに革新が生じない」―という三つの問題点を挙げ、授業数が多いため、教員が個々の授業にかける時間が少なく、学生も自分で学習する時間が少ない結果、授業の密度が低くなり、体系的な知識の習得が不完全で、教育成果の実感も生じないという実態を指摘した。
 委員からは、学生に勉強させるシステムになっていないとの指摘や、学長がリーダーシップを発揮しにくい状況を指摘する意見が出た。同部会は第四回を数えていることから、検討課題の絞り込みを求める意見もあり、佐々木部会長も「いつまでも四股を踏んでいるわけにはいかない」と応じた。
 また、前回に引き続き、空地・運動場に関する特区制度の全国化への対応について審議し、同部会としての意見を取りまとめた。特区制度を利用する場合は、空地・運動場が有する教育的意義と同等以上のものが期待できる措置を講じるとともに、大学の教育情報の公開を定めた学校教育法施行規則に基づいて、代替措置を利用している大学であることの情報公開を徹底するよう求める。
 今後、大学設置基準の改正イメージを含めた案をパブリックコメントにかけた後、大学分科会等で審議を行う予定。

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