私立学校等施設の耐震化を促進
大学等に地域復興のためのセンター的機能整備

　文部科学省は九月二十一日、平成二十三年度第三次補正予算案を固めた。総額は四千七百億円程度で、うち私立学校関係では、「私立学校等施設の耐震化促進事業」、「被災私立学校等復興特別補助・交付金」、「学費減免に対する大学等経常費助成」などが予定されている。

　文部科学省の第三次補正予算案の大きな柱は十一｡このうち､�@学校施設等の復旧等予算は、公立学校が四百七十億円程度、国立大学等が六百五十億円程度､私立学校は､「被災私立学校等復興特別補助・交付金（仮称）」として八十億円程度、などが計上される予定。
　この「被災私立学校等復興特別補助・交付金（仮称）」は、被災した私立学校等の教育環境整備に向けた取り組みに対する支援措置。私立高校等や私立専修学校等については平成二十三年度までの「高校生修学支援基金」をさらに三年間延長し、活用する。
　公立学校に関しては、新築復旧（移転復旧を含む）や大規模補修等を行い、別途、被災校の移転復旧に係る土地取得費を補助対象に追加。私立幼稚園への貸し付けスペースの確保等も可能とする。
　�A学校施設の防災対策は、私立学校施設等の耐震化事業が百五十億円程度の規模。非構造部材の耐震対策、太陽光発電など防災機能強化のための整備も支援する耐震補強工事等と、耐震化促進のための日本私立学校振興･共済事業団への出資(耐震改築事業に対する低利融資の実施）から成る。
　�B防災教育の推進、�C幼稚園の幼保一体化施設としての再開支援（被災した幼稚園・保育所について幼保一体化施設としての再開を支援、安心こども基金の積み増し、十億円程度）に加えて、�D各学校段階における就学支援として大きく分けて三つの事業を実施する。
　一つ目が、被災児童生徒就学支援等臨時特例交付金の積み増し・延長等（二百九十億円程度）で、二十三年度の追加需要額の積み増しを行い、さらに二十四年度から三年間延長する。
　具体的中身は震災で就学等が困難になった幼児・児童・生徒への就学支援（対象事業は都道府県等の行う授業料減免事業）。補助率十分の十、対象者は約六千人。その他、公立学校の幼児児童生徒、専修学校・各種学校生が対象。
　二つ目は高校生修学支援基金の積み増し・延長（三年間）で百八十億円程度、二十六年度末まで実施する。
　三つ目は授業料減免措置の積み増し(高等教育)で、約一万五千二百人分の授業料減免の実施を支援する。うち私立大学等は一万一千九百人分。