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記事2011年9月13日 2215号 (2面) 
日本私立大学連盟
私立大学学生生活白書2011公表
現在の興味「大学の勉強」一位に
進学目的「学歴の必要性」が最多

 日本私立大学連盟(会長=清家篤・慶応義塾長)はこのほど、私立大学生を対象に行った生活実態調査「私立大学 学生生活白書2011」を公表した。調査は同連盟が四年に一回行っているもので、昨秋、加盟校の学部学生を対象にアンケートを実施。百二十二大学、七千百十七人の学生から有効回答を得た。
 ▼進学目的・理由
 進学目的のトップは、「学歴の必要性」(五六・六%)で前回調査から六・四ポイント、前々回からは一一・〇ポイント増えた。次いで、「専門的知識・技能を身につける」(三四・一%)、「自分のしたいことを探す」(三二・六%)。「自分探し」は、前々回調査から八・八ポイント減少した。その他、「友人を得たり人脈を形成する」「自由な生活や青春を楽しみたい」も前々回から減少傾向にある。
 所属大学の選択理由は、「自宅から通学可能」が二八・六%、「自分の実力に合っていた」が二六・〇%と高く、大学選択に無理をしない傾向が読み取れる。
 大学への要望は「授業料を安くしてほしい」が五七・〇%で前回に続いてトップだった。
 ▼経済状況
 学生一人当たりの一カ月の総収入は八万二千七百円で、前回から六千五百円減少した。家族からの援助は四万六百円で、前回比で六千六百円減少している。奨学金受給者は三九・九%で、前回より七・六ポイント増加した。学費が家計の負担になっていると考える学生は八二・四%に達している。
 ▼大学生活
 現在興味を持っていることは、前回二位の「大学の勉強」(二二・九%)がトップとなり、次いで「クラブ・サークル活動」(二一・九%)、「資格の取得」(二〇・四%)「就職活動」(一五・八%)の順だった。
 薬物(大麻など)の使用についての設問を初めて設けた。八八・三%の学生が「どのような理由であれ、絶対に使うべきではない」と回答した半面、「使うかどうか個人の自由であり、使っても構わないと思う」が六・七%、「一度くらいなら使っても構わないと思う」が一・一%と、容認派≠煦齟關泊カ在する。特に男子では、一割以上が「使っても構わない(個人の自由+一度くらいなら)」と回答している。
 ▼正課教育・課外活動
 講義への希望は「板書やプレゼンテーションを工夫してほしい」(四五・八%)がトップで、以下「レジュメを配布してほしい」(二八・五%)、「社会問題や身近な事例を扱った授業」(二四・五%)、「単位認定を緩やかにしてほしい」(二四・四%)の順。「社会問題や身近な事例を扱った授業」「視聴覚教材の活用」では、女子が男子を上回っているのに対して、「単位認定を緩やかにしてほしい」「出欠のチェックをしないでほしい」では、男子が女子を上回っており、性別による講義に対する姿勢の違いもうかがえる。
 インターンシップへの参加は、「すでに参加した」が一〇・八%(前々回比六・九ポイント増)、「ぜひ参加したい」が一一・九%(同一・〇ポイント増)、「興味はある」が四五・二%(同一三・六ポイント増)で、学生の関心が高まっている。
 ▼不安・悩み
 一位は「就職や将来の進路」(五一・五%)で、前回に続いて五割を超えた。「友人等との対人関係」(一七・七%)、「家族や家庭内のこと」(六・七%)など対人関係の悩みが増加傾向にある。
 「自分のことを何でも話せる友人がいる」学生は八二・七%で、「いない」と答えた学生は一六・六%だった。
 ▼進路・就職
 就職に対する不安は、「就職できるかどうか」(六一・五%)がトップで、二位は「自分の適性に合った職業を選べるか」(三三・五%)。順位は前回と変わらないが、「就職できるかどうか」が前回より一五・二ポイント増と大幅に増えたのに対し、「自分の適性に合った職業を選べるか」は前回比八・七ポイントの減となっている。希望する進路は、民間企業・団体志望が五八・八%で前回比〇・八ポイント減に対し、公務員志望が三〇・四%で前回から四・四ポイント伸びている。
 民間志望者の希望する企業は「安定しているところ」が五六・九%でトップ、次いで「自分の能力を活かせるところ」が三四・二%。「安定しているところ」が前々回から一一・〇ポイント増えたのに対し、「自分の能力を活かせるところ」は、前々回比一三・三ポイントの大幅減で、学生の「安定志向」に拍車がかかっているようだ。


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