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記事2011年8月3日 2212号 (1面) 
福島市で東北地区私学研修会開催
私立中高教員ら約250人が参加
私学の重要性再認識
 第五十回東北地区私学教育研修会が七月二十六、二十七の両日、福島市内の会館に東北地区六県と新潟県の私立中学・高校の校長や教員ら約二百五十人が出席して開かれた。福島県私立中学高等学校協会が主催し、東北六県・新潟県私立中学高等学校協会協議会等が協力、日本私立中学高等学校連合会等が後援したもの。今年は、東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所での放射能漏れ事故のため、福島県での開催が危ぶまれたが、東北の元気を示すためにも予定通り開催。地元・福島県を含め参加した教員は熱心に二日間の研修に臨んだ。
 開会式であいさつした地元・福島県私立中学高等学校協会の山ア勲会長は、「東北が被災したら日本と米国で自動車の生産がストップする事態が起こった。地味な東北に潜んでいる大きな力を感じた。これら精密な部品の生産には東北の私学で学んだ多くの人が携わっているに違いなく、このことから、我々私立学校の教育の果たしている役割の大きさを改めて実感している」とし、二日間の研修を通して自校の教育に役立つ種や芽を持ち帰ってほしいと語った。
 その後、日本大学副総長の出村克宣・日本大学工学部長が、「『大学で学ぶ』ということ」との演題で記念講演を行った。出村部長は一万時間の法則などを紹介し、継続して学習、経験を積み重ねていくことの大切さや、教育関係者は生徒等にチャンスや目標を与えることの大切さを力説した。
 その後は学校経営、教育課程など五部会に分かれて二日間にわたる研修が行われたが、このうち学校経営部会では日本私立中学高等学校連合会の吉田晋会長が「東日本大震災と学校教育の今後」の演題で講演した。吉田会長は来年度の文部科学省概算要求に対しては経常費補助の拡充等とともに、一〇〇%の耐震化実現を求めていく方針を説明。また耐震化率は、三年前は私立中学高校の方が公立学校より高かったものの、現在はそれが逆転していること、公立学校と同一の支援がなければこれ以上の耐震化実現は難しいなどと語った。
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