こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2011年7月23日号二ュース >> VIEW

記事2011年7月23日 2211号 (5面) 
東京都補正予算
私立学校に約38億円 太陽光発電等省エネ設備に5億円

 東京都の平成二十三年度六月補正予算が決まった。一般会計の予算規模は六兆三千五百九十八億円で、補正額は一千二百三十八億円。五月二十七日に策定した「東京緊急対策2011」の実施に必要な経費について予算措置された。補正予算の柱は、@首都東京の総合力を活用した被災者・被災地支援A電力危機突破のための東京都の緊急対策B放射能の不安から都民や事業者を守るなど五項目からなる。
 東京緊急対策は三月十一日に発生した東日本大震災を踏まえ、首都直下地震やプレートが連動する巨大地震の発生が懸念されている中、「災害に強く、震災前を上回る都市力を備えた東京を実現していく必要がある」との基本的な考えに基づいている。
 補正予算のうち、私立学校関係では三十七億八千八百五万円が措置された。この中には、@「私立学校安全対策促進事業費補助」(十五億八千三百万円)A「私立学校省エネ設備等導入モデル事業費補助」(五億円)B「私立学校被災生徒等受入支援事業費補助」(七千二百七十四万円)C「私立学校防災用品緊急整備事業費補助」(十四億九千五百三十二万円)D「育英資金事業費補助」(一億三千六百九十八万円)――が含まれている。
 @のうち、新規は二つ。一つは「私立学校への建築士派遣による耐震化計画策定支援」として一千万円を措置。これは私立学校に建築士を派遣し、より実態に則したアドバイスなどの支援により耐震化を促そうとするもの。もう一つは「各私立学校の防災マニュアル策定・見直し支援」として二千万円。東日本大震災により明らかになった新たな問題に対応するため、それらの問題を調査・検証することで、各私立学校が防災マニュアルを見直す支援をするもの。ほかに、「耐震化工事の補助対象校数の拡大」(十三億七千七百万円)、「緊急地震速報整備費補助の継続」(一億七千六百万円)が措置された。
 Aの事業は「太陽光発電および自家発電設備等整備費補助の充実」を目指す。これは、幼・小・中・高を対象に電力不足に対する節電および私立学校の防災力の向上を図るためのもの。従来、補助対象経費の上限二千万円に補助率二分の一の補助だったが、補正予算では補助対象経費の上限が三千万円に引き上げられ、補助率は原則三分の二に、さらに、節電目標を立て、節電教育を行う学校に対しては補助率五分の四に引き上げられる。
 Bには「被災生徒等に対する学用品、修学旅行費等の補助」(八百九十四万円)、「被災生徒等の授業料を減免した私立学校に対する補助」(六千三百八十万円)が含まれている。これらを通し、被災生徒等の就学を支援する。
 Cは、「私立学校に対する備蓄物資等購入費の補助」として、食料・水・毛布等の備蓄品の整備に充てられる。これは帰宅困難となった生徒が学校に泊まらざるを得なくなった事態等を考慮し、学校の防災機能の向上を図るもの。幼・小・中・高等を対象に、一万円に生徒数を乗じた額を上限として補助される。
 Dの「被災生徒等に対する育英資金の特別募集の実施」では、被災生徒等に対する所得制限等をなくした。
記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞