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記事2011年6月23日 2209号 (1面) 
私大振興協会が春季総会開催
私大団体連事業展開に参画・協力
北元会長「素晴らしい人材輩出したい」

 日本私立大学振興協会(会長=北元喜朗・北陸大学理事長)は六月九日、東京・市ヶ谷の私学会館で平成二十三年度春季総会を開いた。
 二十二年度事業報告および決算報告、二十三年度事業計画および予算がそれぞれ承認された。今年度は、春・秋二回の定例総会を開き、会員校相互に情報・意見交換を行うほか、日本私立大学団体連合会の事業展開に参画・協力することでより一層の私立大学の振興充実を図っていく。
 北元会長は「いかなる時代でも素晴らしい人材を輩出するよう頑張っていきたい」と述べた。
 会議に続き、至学館大学教授の新村洋史氏と麗澤大学教授の松本健一氏が講演を行った。新村氏は「学生を自立させるために大学は何をすべきか」と題して講演。「大学全入」時代を迎え、学生が多様化する中で、大学がなすべきこととして、建学の精神を可視化し、学内の教職員全体、学生自身がそれを自己課題化することができるまで発展させること、学生が持っている大学像を変えて学生自身が目標を持って学べるようにすることを挙げた。また、質保証は、大学の平準化ではなく、各大学の理念・ミッションを照準にすべきであり、自己点検・評価が重要であると指摘した。
 松本氏は、福沢諭吉の「脱亜論」や岡倉天心の「茶の本」などを紹介しながら、日韓併合、辛亥革命、中華民国の成立を経て、一九一五年の対華二十一カ条の要求へとつながる道筋をたどりながら「日本の失敗」がどこにあったかを探った。松本氏は、西洋近代化を目指した百年前の日本とアジアの関係と、現在とを比較して「中国、韓国も国民国家形態を手に入れ終わってきた今、日中韓で手を結んで連携してアジアを興すべき時が来ているのではないか」と結んだ。
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