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記事2011年5月3日 2204号 (2面) 
中教審総会 大震災対応を集中審議
学識経験者らの「想定外」発言受けて
相次いで大学に反省求める声
中央教育審議会は四月二十二日、文部科学省の講堂で第七十六回総会を開き、東日本大震災に関して集中審議を行った。
 この中で木文部科学大臣は、戦後初めてという困難に立ち向かい生き抜く力は教育の原点であり、就学の支援には柔軟な最大限の配慮をしていくことと、新しい日本復活のために人材の育成が何よりも重要なことなどを強調した。
 その後行われた委員による意見発表では、未曾有の災害のため学識経験者等から「想定外」との発言が繰り返されたことを取り上げ、「学問の限界。学問の世界は大いなる反省を迫られている。学問分野のコラボレーションが求められている」、「想定外で片付けるのは無責任。想定外にも対応できる人材作りが必要」といった発言や、また事故後の原発対応や津波対策が十分研究されてきたのか、総合大学はリーダーシップを発揮して復興ビジョンづくり等に取り組む仕組みとなっているのか、日本の教育は、臨機応変に対応できる人を育ててきたのか反省が必要だといった意見も聞かれた。
 さらに大学は知の拠点として役割を果たしたのか、大学の中に研究資源を組織的に動員する力に欠けていたのではないか、検証の必要性指摘する意見、総合大学の地域との関わり・貢献を問題視する意見も出された。
 このほかでは、中長期的に防災教育を強化していく必要性や、私立小学校等では電車通学もあるため帰宅困難時のマニュアルづくりの必要性、防災の拠点としての学校の在り方の検討、親を失った子どもへのしっかりとした対応を求める意見もあった。またテレビ報道などで小学生以下の子どもの姿が見えない、就学前の子どもへの支援対応が見えにくい、文部科学省と厚生労働省は強力な連携をしてほしいといった意見、子どもたちが勉強の遅れを取り戻せるようeラーニングの環境整備を求める意見、子どもたちの帰し方は教委により様々だったので検討課題だとする意見等が出された。
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