こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2011年4月13日号二ュース >> VIEW

記事2011年4月13日 2201号 (1面) 
民主党の私学振興推進議連が総会
 民主党の「私学振興推進議員連盟」(西岡武夫会長、川端達夫会長代行、藤谷光信事務局長)は、四月十二日、参議院議員会館会議室で総会を開き、私学団体代表から東日本大震災における私立学校の被災状況や復興復旧に向けた要望事項、被災した学生・生徒等への支援体勢等について聴取し、意見交換を行った。この中で川端会長代行(前文部科学大臣)は、私学からの要望事項を同議連の要望書としてまとめ、政府と党に早急に提出する考えを明らかにした。

全私学連合・全専各連
被災者支援拡充など表明
被災校へは国公立と同等の施策要請

 この日、要望や意見を述べたのは、全私学連合を構成する日本私立大学団体連合会(白井克彦会長)、日本私立短期大学協会(佐藤弘毅会長)、日本私立中学高等学校連合会(吉田晋会長)、日本私立小学校連合会(平野吉三会長)の各会長と全日本私立幼稚園連合会(香川敬会長)の北條泰雅副会長、それと全国専修学校各種学校総連合会の中込三郎会長。
 冒頭、全私学連合を代表して白井・私大団体連会長が短期大学を含め、最も被害が大きかった岩手、宮城、福島の三県で人的被害は十七校・七十三人、物的被害は三十三校に及び、その他の地域でも大きな被害があったこと、施設の修復等への支援では国立大学との格差をなくしてほしいと要望。そのほか中国人留学生が数多く帰国したままになっていることなどを明らかにした。佐藤・日短協会長は短大は学校の規模が小さく、財政基盤が脆弱で学費の延納等もあり、五月以降、資金繰りが厳しいことなどを説明し、緊急融資実現への理解を求めた。
 吉田・中高連会長は中学高校が比較的高台にあるため津波の被害を逃れた学校が多かったものの、不況等により生徒募集が厳しい中で校舎の修復は厳しいことなどを訴え、復興支援については国公私立学校の同等の取り扱いなどを要望した。
 平野・日私小連会長は、人的被害はなく、物的被害は体育館が使用不能になった学校を含め十六校だったことを明らかにし、心に傷を負った子供ためスクールカウンセラーの支援補助制度の拡充、保護者の収入が激減した児童等への就学支援金の特設等を要請した。
 北條・全日私幼連副会長は十六都道県で人的被害は八十四人、施設被害は七百園に及ぶことなどを説明した上で、長期の、現地の思いを理解した、スピード感のある支援の必要性を強調、学校等の事故で死傷した子供に支給される独立行政法人日本スポーツ振興センター災害共済給付金(見舞い金)を天災にも適用することを要請した。
 中込・全専各連会長は、「激甚法」を改正して専修学校、各種学校も対象にし、復旧事業に対する財政支援措置を他の私立学校と同様に行うことなどを要請した。
 私学団体は、こうした私立学校の復旧復興要請以前から、すでに被災者や被災学生生徒等への支援活動を始めていることも説明、今後さらに支援活動を広げていく考えを明らかにした。被災地への物資提供、義援金の募集・寄贈はもとより、被災した学生の学納金の減額・免除措置、被災者の受け入れ、ボランティアへの参加などは広く行われており、支援の輪は同窓会、保護者団体にも広がっている。中高連の吉田会長は東京などの私立中学高校生の家庭が被災家庭の子どもをホームステイの形で受け入れる準備をしていること、中込会長は被災企業等で内定取り消し・自宅待機となった卒業生の専修・各種学校での採用を検討しており、一千人の採用を目指していることを明らかにした。
 このほか福島県での原発問題に関しては、風評被害から学生募集が難しくなっている学校が出てきていることなども私学側から説明され、問題の早期決着が要請された。
 この日は、文部科学省の鈴木寛副大臣や板東久美子生涯学習政策局長らも出席。鈴木副大臣は「政府の第一次補正予算編成に向け要望を承って文部科学省として最大限対応したい。事態が不明の部分もあり、走りながらの対応だが、ご指導、情報提供をお願いしたい」と語った。


記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞