TOP >>
バックナンバー一覧 >> 2011年3月3日号二ュース >> VIEW
記事2011年3月3日 2198号 (3面)
新校長インタビュー(224)
正則高等学校 校長 日沼 慎吉氏
「本来の学校らしさ」求める校風 すべて普通クラスで
正則高等学校(日沼慎吉校長、東京都港区)の基本方針は、生徒一人ひとりに学力をつけることを最重点課題に置き、行事やクラブ活動などに一生懸命に取り組み、充実した高校生活を送りつつ進路実現をすることだ。「変則」な教育ではない、人間としてひろがりのある「正則」な教育を目指すということが同校の創立の精神だ。この精神は、創立百二十一年たっても「本来の学校らしさ」を求める校風として、今日まで引き継がれている。 「特進クラス」「コース制」などのような習熟度別、進路別のクラス編成をせず、生徒はすべて同じ「普通クラス」の中で学んでいる。私学にあって数少ない独自の生き方をしており、注目されている。「生徒は変わる可能性を持っています。学力や進路について分け隔てなく、生徒全員に伸びる可能性を認めた上で、進路については自分で選ばせようという趣旨で普通クラスのみの編成としています」と日沼校長は説明する。保護者からもこの考え方が好感をもって受け止められている。 二〇〇八年度にカリキュラムを改訂し、より高いレベルの充実した授業を行っている。一年から共通科目を学び、二年から選択科目を導入している。進学に向け高い学力を身につけるために、予備校講師を招いて火・土曜日を利用して特別講座や発展講座を開講、夏期・冬期を利用して集中講座を行っている。 「本来の学校らしさ」という校風は、「みんなと一緒に取り組む」という考えとなって、さまざまな行事や体験学習に表れている。二年での保育、看護、酪農などの体験学習や生き方を問う学習旅行を通して、社会で生きていく力を身につける。クラスも三年間持ち上がりになっており、文化祭や体育祭など諸行事は大いに盛り上がるという。 生徒が教師の授業を評価する「授業点検」を、随分前から実施しているのも特長だ。日沼校長は「本校では生徒の生の声を聞くことは大事だと思い実施しています」と、授業点検の意義を認める。 日沼校長は現在一年生を対象に、「総合学習の時間」を週一時間受け持っている。主に、「生きること」と「性」をテーマに、同校が共学にしてから十年間授業を続けている。英語科が専門で、同校に奉職して三十四年。北海道の函館市出身。
|
記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。 無断での記事の転載、転用を禁じます。
|