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記事2011年3月3日 2197号 (1面) 
第6期の中教審初等中等教育分科会が初会合
公立中高一貫広がる中で公立中学校の在り方議論求める声も
 第六期中央教育審議会発足以降、初の初等中等教育分科会が二月二十八日、文部科学省内で開かれ、学校段階間の連携・接続等の改善や幼保一体化、インクルーシブ教育の制度化など前期中教審から引き継いだ検討課題の説明が事務局(文部科学省)から行われたほか、自由討議が行われた。
 分科会長には小川正人・放送大学教養学部教授が就任した。同分科会の委員は三十二人(正委員十三人、臨時委員十九人)。小川分科会長は、第六期初等中等教育分科会の主な課題は新教育課程実施へのバックアップだとし、三十五人学級の実現や教職員定数の改善の必要性を挙げたが、そうした未来への公的投資は国民の支持の中でしか実現できないため、国民の理解を得るため発信型の分科会運営に努めたいと語った。
 前期から引き継いだ課題の内、学校段階間の連携・接続等の改善の問題は、目下、中高一貫教育について制度創設から約十年が経過、入学者選抜で問題が生じていないかなどを検証しており、近く中高一貫教育の議論のまとめを行う予定。
 継続課題の説明後に行われた自由討議では、複数の公立学校関係者から、公立中高一貫教育が優秀な生徒の囲い込み・先取り教育に進む中で、公立中学校はどうあるべきかの議論が抜け落ちていることは非常に残念とする意見や、公立中高一貫教育が学校パンフレットの中で地域のリーダーを育てるとPRする中で、地域の公立中学校は地域のリーダーを養成していないのか、などとし、公立中学校の在り方についてしっかり議論してほしいといった意見が聞かれた。また初等中等教育と大学教育の連携については、「中教審のどこで議論するのか、初等中等教育分科会と大学分科会の合同会議を開いてほしい」との意見や「(教育に関して)長い時間、学校教育が責任を持つ。全体を見る場を設ける必要はないか」との意見も聞かれ、教育制度分科会の開催の必要性などが指摘された。最近では、キャリア教育に関し学校種を超えて特別部会で審議された例はあるが、教員養成をめぐっても初等中等教育、高等教育の垣根を超えた議論の必要性が指摘されている。


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