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記事2011年3月13日 2198号 (2面) 
平成22年度第2回都道府県私立学校主管部課長会議開催
高校生が安心して勉学できるよう 授業料減免補助充実と周知など要請
 文部科学省は二月二日、同省内で「平成二十二年度第二回都道府県私立学校主管部課長会議」を開催した。この会議は、同省の平成二十三年度私学関係予算案や税制改正の概要等を各都道府県私立学校主管部局の担当者に説明し、施策の円滑な実施に向けた協力を要請するための会議。
 冒頭、鈴木寛・文部科学副大臣が挨拶に立ち、厳しい財政事情の中にあって同省の平成二十三年度予算案額が、二十二年度補正予算を含め前年度比二・八%増額した結果、文教予算が初めて公共事業予算を上回り、民主党の「コンクリートから人へ」の基本方針通り予算の配分構造の変革ができたと説明。その上で公立高校の授業料無償制・高等学校等就学支援金に関しては、引き続き実施のための予算三千九百二十二億円を計上したこと、加えて授業料減免に関しては、家計急変世帯に対する国庫補助として二億七千六百万円を計上したこと、高校生修学支援基金の使い勝手がよくなるよう財政当局と折衝中であることを説明した。また地方交付税措置では、私立高校生授業料軽減費分として前年度比二十億円増の七十億円が措置されたことなどを説明し、都道府県の私立学校主管部局に対し、すべての意志ある高校生が安心して勉学に打ち込めるよう、都道府県授業料減免補助の充実と、こうした支援施策を知らないために卒業ができない、といった事態が生じないよう、授業料等支援策の私立学校や保護者への周知徹底を要請した。
 次いで同省の私立学校関係部局から二十三年度予算案の概要等が説明された。このうち私学部の勝野頼彦・私学行政課長は、二十三年度私学関係税制改正の概要や私立学校にも関連する教育改革の動向等を説明した後、私立高等学校での授業料滞納状況と、導入して約一年を迎える高等学校等就学支援金の実施状況を三月末時点で調査することを明らかにした。
 次いで小山竜司・私学助成課長は、平成二十三年度の私学関係補助金の概要を説明したが、この中で校舎等の耐震化率に公私立学校間で大きな開きはないものの、耐震診断の実施率に関しては、私立学校は五〇%にとどまっており、公立学校の実施率を大きく下回っていること、平成二十三度の耐震化補助は微増にとどまったことを報告。また授業料減免に関しては、生活福祉資金貸付制度等も含めて既存の仕組みの周知徹底を、さらに就学支援金導入と相まって県費による授業料減免措置も充実してほしいと要請した。
 伊藤勲・参事官は、学校法人の厳しい収支状況や財務情報の一般公開状況等を説明、また学校法人会計基準に関して、退職給与引当金の計上等に係る会計方針の統一を行う予定で、近く関係者に通知する方針を明らかにした。
 このあと同省の関係部局から平成二十三年度予算案の説明等が行われたが、この中で高等学校等就学支援金を担当する初等中等教育局の袖山禎之・高校教育改革PTリーダーは、私立高校で授業料をどう設定するかは設置者である学校法人の権限としながらも、高等学校等就学支援金の趣旨を踏まえて合理性のない値上げは好ましくないとの考えを明らかにし、あらためて関係方面への周知を都道府県に要請した。
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