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記事2011年2月3日 2194号 (3面) 
新校長インタビュー(222)
潤徳女子高等学校校長 木村美和子氏
生徒一人ひとりを大切に 女子の目線に立った教育実践
 赤いレンガで造られた外観は、ヨーロッパの学びやを思わせる潤徳女子高等学校(木村美和子校長、東京都足立区)。大正十三年、地元の名士を役員とする千住町教育会によって、女子教育の振興に努める目的で創立された。校名の「潤徳」は、中国の四書の『大学』に出てくる「徳は身を潤す」の一節に由来する。創立者たちの思いは、自立した女性の育成を目指し、「一人ひとりを大切に」という思いになって今に受け継がれている。
 「創立の経緯から、本校は地域から愛される学校になっていると思います。地域の行事に吹奏楽部が参加したり、芸術コースの生徒が商店のシャッターに描いたり(シャッターアート)、デパートのギャラリーで美術展を開催しています」と木村校長は語る。
 同校は普通科と商業科を持つ。普通科は特別進学、総合進学、福祉進学、芸術の四コースに分かれ、商業科はビジネスITコースとなる。このうち、福祉進学コースでは、一年で高齢者福祉・障害者福祉・カウンセリングを学び、二年で児童福祉、訪問介護員(ホームヘルパー二級)の資格取得のための講義、三年で訪問介護員の実技演習と実習、生活保護やターミナルケアなどを学ぶ。このコースの生徒は学内外での演奏や合唱が行われる際に手話も行っている。
 「一人ひとりを大切に」する教育は、生徒一人ひとりと個別に対応する進路指導となって表れている。木村校長自身も全校生徒と個別面談を一年かけて行う。
 「本校は女子校であることの特性を生かし、女子の目線に立ち、女子ならではの教育を行っています。生徒に言っていることは、自信を持って社会に出てリーダーシップを取ること、自分自身を見つめどのような価値観を持つかを意識して将来の仕事や家庭のことを考えること、そして、卒業生に触れる機会を積極的に持ち、いろいろな考えを学ぶことです」と木村校長。女子だけで自治活動などを行うことで、他では得られないさまざまな体験を積むことができ、女性として、人間として大きく成長してほしいと願っている。
 同校は今年の四月から機能性を重視した制服に一新する。木村校長の専門は理科(化学)。大学卒業後、同校の理科の教員に、その後、教務主任等を経て校長に就く。東京都出身。


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